【プレビュー】 12羽揃って 国立工芸館石川移転開館1周年記念展 「《十二の鷹》と明治の工芸」 国立工芸館(金沢市出羽町)で10月9日開幕

鈴木長吉《十二の鷹》(12番)1893年 重要文化財 東京国立近代美術館蔵 撮影:エス・アンド・ティ フォト

まるで生きているかのような動物の置物。器の表面から飛び出すほどの彫刻的細工の施された陶器や金属器。明治の工芸品はそれぞれが圧倒的な「熱量」を感じさせる。12羽が揃い踏みした鈴木長吉の《十二の鷹》を始めとして、約100点の明治以降の工芸作品を集めた展覧会が開かれる。

国立工芸館石川移転開館1周年記念展 「《十二の鷹》と明治の工芸」 

国立工芸館(金沢市出羽町)

会  期   10月9日(土)~12月12日(日)

開館時間   午前9時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)

休館日    月曜日(10月25日、11月1日は開館)

入館料    一般500円ほか

       高校生以下、18歳未満、障害者手帳のある方(付添者1人)無料

       オンラインによる事前予約制。当日券も若干あり

JR金沢駅兼六園口よりバス 「広坂・21世紀美術館」、「出羽町」下車ともに徒歩7~9分

詳しくは同館ホームページ

 

初代宮川香山 《鳩桜花図高浮彫花瓶》1871-82年頃 東京国立近代美術館蔵
撮影:アローアートワークス©2005

江戸から明治へと社会が大きく変わる中で、工芸家たちは活路を見出すために必死だった。時代に翻弄されながらも、それに立ち向かう彼らが生み出した超絶技巧と、そこに潜むストーリーを三つの章立てで紹介する。また、昭和52年に生まれた東京国立近代美術館工芸館が金沢市に移転して、この秋で1年になる。開館から移転までの歴史も資料を通して紹介する。

第1章 「明治の工芸」変わらなければ生き残れない!

駒井音次郎 《鉄地金銀象嵌人物図大飾皿》1876-85年頃 登録美術品

武士階級という有力な後ろ盾を失った工芸家たちは、さまざまに生き残る方法を模索する。住む場所を変え、社会的立場を変え…。激動の時代を生き抜いた工芸家たちを紹介する。

七代錦光山宗兵衛《上絵金彩花鳥図蓋付飾壺》1884-97年頃 東京国立近代美術館蔵  撮影:アローアートワークス©2005

第2章 「鈴木長吉と《十二の鷹》」新旧の技に挑む!

鈴木長吉《十二の鷹》(1番)1893年 重要文化財 東京国立近代美術館蔵
撮影:エス・アンド・ティ フォト

帝室技芸員だった鈴木長吉(18481919)が制作を指揮して完成させた《十二の鷹》。当時の最高の技を「美術品」として世界に示そうと、明治26(1893)年にシカゴ博で発表された。今回は十二羽が揃って展示される。近年の研究で伝統の技に加え当時の最新の技術も駆使したと指摘されている。

鈴木長吉《十二の鷹》(3番)1893年 重要文化財 東京国立近代美術館蔵
撮影:エス・アンド・ティ フォト

第3章 「熱量」のゆくえ~工芸の変わりゆく姿

平田郷陽《洛北の秋》1937年 東京国立近代美術館蔵 撮影:アローアートワークス©2006

明治から大正、昭和へと時代が移り変わるとともに、工芸家たちの「熱量」の現れ方も変わっていく。表へ前へと向かっていたものが、内へと向かうようになる。落ち着いて見える作品からも、内奥に秘められた熱量が感じ取れる。

岩田藤七《彩色壺》1935年 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城卓

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)

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