【動画公開】小さなカップから広がる世界「デミタスカップの愉しみ」(渋谷区立松濤美術館)

「デミタスカップの愉しみ」が渋谷区立松濤美術館(東京・渋谷)で8月24日(火)から開かれている。19~20世紀にヨーロッパの名窯が産んだジャポニスムや、アール・ヌーヴォー、アール・デコなどの当時の流行デザイン、そして、繊細で超絶技巧な装飾が楽しめる日本製のものまで、村上和美さんのコレクションから約380点を展示する。10月10日まで。感染症対策のため、土日祝日および最終週(10月5日以降)は日時指定制を導入する。
デミタスカップの愉しみ |
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会場:渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-14) |
会期:2021年8月24日(火)~10月10日(日) |
休館日:月曜日(9月20日は開館)、9月21日(火)、24日(金) |
アクセス:京王井の頭線神泉駅徒歩5分、JRなど渋谷駅徒歩15分 |
入館料 一般800円、大学生640円、高校生・60歳以上400円、小中学生100円 |
詳細は同館のHP |
*9月27日に動画を公開しました。
開幕前日の内覧会を取材
8月24日(火)に開幕する「デミタスカップの愉しみ」(渋谷区立松濤美術館)の内覧会に伺いました。 濃いコーヒーを飲むための小さなコーヒーカップ「デミタス」。 小さいからこそ広がるデザインの宇宙を堪能しました。

2244点(ちょっとずつ増加中とのこと)のデミタスカップを所蔵する村上和美さんのコレクションから選りすぐりの約380点を展示。 村上さんご本人に、オススメのカップと見所を教えてもらいました。
コレクター憧れの逸品
「コレクターならいつか手に入れたい憧れの逸品」と村上さんが言うのが、KPMベルリン(ドイツ)のハイハンドルカップ&ソーサーです。

持ち手のハンドルの流れるような立体的なカーブの美しいこと!
<ドイツ版アール・ヌーヴォー>
<火焔式土器を作った縄文人の転生?>
など、記者ら見学者たちの感想と想像も、世界が広がっていきました。
透かし彫り


これもコレクターなら「どうしてもいつか手に入れたい逸品」という ロイヤルウースター(イギリス)の透かし彫りが施されたカップ&ソーサー。
透かし彫りの名工ジョージ・オーウェンによる芸術作品 。「手元に届くまで(壊れていないか)ドキドキしました」と村上さん。ちなみに村上さんはどのカップも必ず一度はコーヒーを飲んでいるそうです。
日本製の超絶技巧

「銀製ハスの葉形蛇装飾カップ&ソーサー」(1900年頃)
<超絶技巧>では日本も負けていません。 なんと、この銀のソーサーには、葉の穴から細い身体を出入りさせるヘビがいます。第1部3章「日本製のデミタス」コーナーにありますので、お見逃しのないよう。
コーヒーカップのような曲線の第一会場(地下一階) と コーヒーサロンのような大きなソファー(残念ながら今展中は感染症対策で座れません)のある第二会場(二階) で、ゆったりとした気持ちで観覧してください。 土日祝・最終週は日時指定制です。
オンラインでも
今展は、感染症対策で土日祝などに日時指定制や会場の撮影制限がありますが、村上さんのHPでは、VR(バーチャルリアリティー)での展示をスマホやPCから見ることができます。

また、村上さんのインスタグラムでは、コレクションを毎日1つずつ公開しています。現在投稿数は1900を超えています。会場になかなか行きづらい人も多いと思いますが、この機会に、デミタスカップの世界を楽しんでください。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)