【レビュー】見て手に取って膨らむ想像力「ブラチスラバ世界絵本原画展 -こんにちは(Ahoj)!チェコとスロバキアの新しい絵本-」うらわ美術館(さいたま市)で開催中

スロバキアの首都ブラチスラバで、2年ごとに開催される世界最大規模の絵本原画コンクール。2019年開催の第27回展から金牌(第3席)を受賞した日本人作家きくちちき作「もみじのてがみ」をはじめとする世界中の受賞作と、15組の日本の代表作家の作品を紹介している。絵本の多くは手に取って見ることができ、展示された原画が絵本になるとどうなるか、想像力を膨らませてくれる。
「ブラチスラバ世界絵本原画展 -こんにちは(Ahoj)!チェコとスロバキアの新しい絵本-」
うらわ美術館(さいたま市浦和区)
会 期 7月10日(土)~8月29日(日)
開館時間 午前10時~午後5時 金・土は午後8時まで
(ギャラリーへの入場はいずれも閉館30分前まで)
休館日 月曜日=8月9日(月・祝)は開館、8月10日は休館
入館料 一般620円ほか 中学生以下無料
JR浦和駅西口より徒歩7分 浦和センチュリーシティビル3階
詳しくは同館ホームページへ

「ブラチスラバ世界絵本原画展(略称=BIB)」は1967年に当時のチェコスロバキアで第1回展が開催された。2020年がスロバキア、チェコと日本との交流100周年にあたることを記念して、今回の展覧会では両国の絵本を特集。また、日本人作家4組に焦点を当て、絵本が生まれるまでの背景や創作の原点を「アトリエから始まる旅」に見立てた展示もしている。

出品作品は絵本原画約200点、絵本約90点、立体作品・版画・映像・習作等約50点など合わせて約340点に及ぶ。展示は「チェコとスロバキアの新しい絵本」、「BIB2019受賞作品」、「BIB2019日本作家代表」の3コーナーからなる。


チェコとスロバキアの新しい絵本から見ていくと、絵の手法、色使い、発想など、その多様性に驚かされる。古くからの日本の絵本を見て来た目にはどれも新鮮だ。




最後のコーナー「アトリエから始まる旅」では、4組の日本人作家のアトリエやその窓から見える風景、庭、創作のためのメモやラフスケッチ、絵本以外の創作物などを展示。絵本が生まれる背景を探る。


(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)