《窓辺で手紙を読む女》を修復後、所蔵館以外で初公開 「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」 来年1月、東京都美術館で開幕

ヨハネス・フェルメール 《窓辺で手紙を読む女》(修復中) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館 © Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische

「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が2022年1月22日(土)~4月3日(日)の会期で、東京都美術館(上野)で開催される。詳しくは公式サイトへ。

注目作品は、17世紀オランダ絵画の巨匠、ヨハネス・フェルメール(1632~1675)の《窓辺で手紙を読む女》。

ヨハネス・フェルメール 《窓辺で手紙を読む女》(修復前) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Herbert Boswank (2015)

窓から差し込む光の表現、室内で手紙を読む女性像など、フェルメールが自身のスタイルを確立したといわれる初期の傑作とされる。本作は1979年のX線調査で壁面にキューピッドの描かれた画中画が塗りつぶされていることが判明。長年、その絵はフェルメール自身が消したと考えられてきた。しかし2017年の調査により、フェルメール以外の人物によって消されたことが新たに分かり、翌年から画中画の上塗り層を取り除く修復が開始された。

ヨハネス・フェルメール 《窓辺で手紙を読む女》(修復中) 1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische

2019年5月には、キューピッドの画中画が部分的に現れた修復途中の作品が、記者発表で公開されている。

本展では、この修復過程を紹介する資料とともに、大規模な修復プロジェクトによってキューピッドが完全に姿を表した《窓辺で手紙で読む女》の当初の姿を展示する。所蔵館であるドレスデン国立古典絵画館に次ぐ披露で、所蔵館以外では世界初公開ということになる。

修復作業の様子 © SKD, photo: Kreische/Boswank
修復作業の様子 © SKD, photo: Kreische/Boswank

また本展ではドレスデン国立古典絵画館が所蔵するレンブラント、メツー、ファン・ライスダールなど、17世紀オランダ絵画の黄金期を彩る名作を併せて約70点紹介する。

レンブラント・ファン・レイン 《若きサスキアの肖像》 1633年 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
ハブリエル・メツー 《レースを編む女》 1661-64年頃 ドレスデン国立古典絵画館
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
ヤーコプ・ファン・ライスダール 《城山の前の滝》 1665-70年頃 ドレスデン国立古典絵画館 © Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel

西洋画家の中でも屈指に人気を誇るフェルメール。修復の過程や改変の経緯など話題も豊富で、興味津々の展覧会になりそうだ。本展はその後、北海道立近代美術館(2022年4月~6月、調整中)、大阪市立美術館(2022年7月16日~9月25日)、宮城展(会場、会期とも調整中)に巡回の予定。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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