【開幕】曜変天目など国宝ずらり「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」(三菱一号館美術館)

「三菱の至宝展」の会場

完品としては世界に3点のみが伝存する「曜変天目」、俵屋宗達の「源氏物語関屋澪標図屛風」、中国最古の詩集の唐時代の書写本「毛詩」などの国宝12点を含む約100点を展示する「三菱の至宝展」が6月30日から、三菱一号館美術館(東京・丸の内)で開催される。9月12日まで。
開幕前日の29日には内覧会が行われ、絢爛豪華な至宝の数々に注目が集まった。
三菱は、1870(明治3)年に、土佐藩の事業を引き継いだ九十九商会の設立が始まりで、2020年が創業150年で、今展覧会も昨年に実施される予定だったが、コロナ禍の影響で今年の開催となった。

開幕前日の内覧会のレポ

あす6月30日(水)に開幕する「三菱の至宝展」(三菱一号館美術館)の内覧会。看板通り、あまりのお宝の連続に圧倒されっぱなしです。こちらはその表情も仕草も印象的な鎌倉時代の慶派《木造十二神将立像》重文です。

木造十二神将立像

国宝・重文を紹介するだけでも大変なので印象的なものだけにします(^_^;)。国宝《太刀 銘 包永》手掻包永 鎌倉時代。キラリとすごい迫力です。

俵屋宗達の《源氏物語関屋澪標図屏風》から澪標図。こちらもとても鮮やかで名場面を思い出させます。国宝です。

澪標図は前期のみ、後期は関屋図が展示される

個人的に推しなのは橋本雅邦《龍虎図屏風》=重文=や、黒田清輝《裸体婦人像》。近代の作品も素晴らしいです。

龍虎図屏風(右隻)
龍虎図屏風(左隻)
黒田清輝《裸体婦人像》

古今東西の古典籍もずらり。マルコ・ポーロ『東方見聞録』、フリードリヒ・マックス・ミューラー『リグ・ヴェーダ』、シーボルト『日本動物誌』など、これ学校で習ったよ!の連続です(^^)

フリードリヒ・マックス・ミューラー『リグ・ヴェーダ』
マルコ・ポーロ『東方見聞録』
シーボルト『日本動物誌』

もちろん、三菱さんといえばこれ、の《曜変天目(稲葉天目)》もお出まししてます。

《曜変天目(稲葉天目)》

グッズもちょっと変わって楽しいものが出てます。要チェック。

「三菱の至宝展」は9月12日(日)まで。点数が決して多い訳ではないですが、ひとつひとつの存在感が半端ないです。狙いを定めていくのがオススメかも。

読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

三菱創業150周年記念 三菱の至宝展
会場:三菱一号館美術館(東京・丸の内、JR東京駅・丸の内南口徒歩5分)
会期:2021年6月30日(水)~9月12日(日)
<前期:8月9日(月・振替休)まで。後期:8月11日(水)から>
休館日:月曜日、展示替えの8月10日(火)(ただし7月26日、8月9日、8月30日、9月6日は開館)
開館時間:10:00~18:00(入館は開館の30分前まで)
入館料・当日券:一般1900円、高校・大学生1000円、小・中学生無料
詳細は展覧会公式サイト

展示品を詳報したプレビュー記事

【プレビュー】近代日本の社会貢献の象徴 「三菱の至宝展」 国宝12点が集結 三菱一号館美術館で6月30日開幕