7月号で「聖徳太子 日本一有名な皇子のものがたり」を特集した芸術新潮編集部に聞いた聖徳太子の魅力

芸術新潮7月号の表紙

雑誌「芸術新潮」の2021年7月号が6月25日発売された。今号の特集は、「聖徳太子 日本一有名な皇子のものがたり」。

今年は聖徳太子が亡くなって1400年の遠忌(おんき)の年。特別展「聖徳太子と法隆寺」(奈良国立博物館で427日~620日、東京国立博物館で713日~9月5日)や、特別展「聖徳太子 日出ずる処の天子」(大阪市立美術館で94日~1024日、サントリー美術館で1117日~2022110日)が開かれるなど、聖徳太子が注目されている。

芸術新潮の高山副編集長

芸術新潮の最新号では、聖徳太子に特にゆかりの深い法隆寺と四天王寺に焦点を当てて特集。美術展ナビが、芸術新潮編集部を訪れ、担当した高山れおな副編集長に話を聞いた。

芸術新潮7月号の表紙

Q)表紙は、「聖徳太子と法隆寺」展で27年ぶりに法隆寺外で公開される国宝「聖徳太子坐像」なのですね? 旧一万円札に親しんでいる人にとってはイメージが変わるかもしれません。

A)最近の若い人には、旧一万札を見たことがない人も増えているようです。もちろんお札のモデルとなった「聖徳太子二王子像」は歴史の教科書などで見たことはあると思います。もう一つ、イメージを浮かべやすいものに、みずらを垂らした聖徳太子の少年の頃の姿があります。

Q)山岸涼子さんのマンガ『日出処の天子』の影響は大きいですね。

A)今回の表紙の聖徳太子は一般的にはなじみのない姿かもしれませんが、聖徳太子が、さまざまな姿で像になったり、絵に描かれたりしてきたことが伝わればいいと思います。なにより、すごくかっこいいじゃないですか。

芸術新潮7月号から

Q)たしかに。「聖徳太子と法隆寺」で展示されるので、ぜひこの角度で見ようと思います。ほかにポイントはありますか?

A)太子信仰の今という時代性を重視しました。例えば、見開きの左に、法隆寺の国宝の救世観音の写真、右には昭和に復興された四天王寺の救世観音の写真を配置したページがあります。図録ではなく雑誌だからこその構成です。太子信仰が今も生き続けていることを視覚的に読み取ってもらえれば、うれしいです。

Q)この特集を作って、感じたことはありますか?

A) 日本の美の歴史をひもといたときに、飛鳥時代は欠かせませんし、飛鳥時代の美術を知る上で、法隆寺は欠かせません。今回、あらためてそれを感じました。また、聖徳太子が摂政を務めたとされる30年ほどの時代は、古代史全体の中でも、例外的に非常に平和で安定していました。その歴史が法隆寺のすばらしい宝物が生まれたこと、またその多くが現在まで奇跡的に伝わってきたことと、どう関係しているのか、個人的にいろいろと思いをめぐらせることができました。みなさんも、展覧会のおともにぜひ読んでください。

(聞き手・読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

定価1500円。購入は、書店や芸術新潮のサイトから各インターネット書店で。


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