「ファッション イン ジャパン」展 大学生も「社会を変える力ある」と熱視線 明大・東野先生のグループが鑑賞

展覧会場の入り口で記念撮影(23日、国立新美術館で)

国立新美術館(東京・六本木)で開催中の「ファッション  イン  ジャパン 1945-2020 流行と社会」展は、服飾文化や流行に関心を持つ幅広い層から注目を集め、会場は連日、熱気に包まれている。

23日には、明治大学の大学生14人がグループで鑑賞に訪れた。商学部の東野香代子特任講師の「ファッション・ビジネス論」を学ぶなどしている学生たちで、東野講師が「日本のファッションの歩みを学ぶよい機会」と希望者を募った。

展示作品をじっくり鑑賞する明治大学の学生(23日、国立新美術館で)

参加者は戦前から2020年代に至る膨大なコレクションを鑑賞。感想を尋ねると、ファッションのあり方や価値観が、戦後70年余の歴史の中で大きく変化したことに驚くなど、刺激を受けた様子だった。

菅谷有純さん(4年)は「戦中のもんぺから一転、爆発的に様々なファッションが誕生した戦後しばらくは、衣服で自己を実現したい、という意欲に満ちあふれていた。最近はファッションで自分を表現するというより、シンプルに実用性を重視していて、移り変わりを感じた」という。石川萌さん(3年)も「時代とともに様々な価値観が生まれ、特に1970年代の奇抜で自由なデザインにはびっくりした」と目を見張っていた。狭間智絵さんは(2年)は「洋服の意味合いが大きく変化していた。かつては西洋に合わせるだけだったのが、自分の価値観を表現するのがファッションだ、という考えが主流になっていた」と振り返った。

SNSとファッションの関係に注目した合田健太郎さん(3年)は「かつては、少数のファッションリーダーの持つ影響力が大きかったが、SNS時代の現代は個々の考え方が表にでる。今の時代を20年後の人たちが見た時、どう表現されるのかなあ、と考えた」と話した。

サステナビリティ(持続可能性)などについてもっと突っ込んだ展示を見たかった、と述べたのは韓国からの留学生の文昶允(ムン・チャンユン)さん(4年)。「これからは持続可能な暮らし方を、一般の人も真剣に考えていく必要がある。流行を消費するだけではだめで、そうした提案がもっとあっても良かった」という。

1964年の東京五輪の際、日本選手団が開会式・閉会式で着用したユニホーム

「ファッションには社会を変える力がある、と展示作品と解説をみて感じた」とは田中美紀さん(4年)。「前の東京五輪の際、男子選手が開会式のユニホームで赤いブレザーを着ていて、『男が赤を着るとは何事』という苦情が殺到したんですね。でも、それを境に男性が赤を着ることが普及した。男性も変わることができた。人の価値観を変えられるんだ、と思いました」と目を輝かせていた。

「ファッション  イン  ジャパン」展は9月6日(月)まで。概要の紹介記事はこちら。展覧会ホームページはこちら。大学生の皆さんも、多彩な展示を通じてファッションや暮らし、文化や歴史について深く考えるきっかけになったようです。この日、参加してくださった学生さんの感想文を後日、こちらのサイトで紹介します。

(読売新聞東京本社美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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