【開催中】初めての東京「国宝 聖林寺十一面観音-三輪山信仰のみほとけ」展(東京国立博物館)

国宝「十一面観音菩薩立像」(聖林寺蔵)の背後には大神神社の三ツ鳥居と三輪山が再現

奈良時代に造られた国宝「十一面観音菩薩立像」(奈良・聖林寺蔵)が、初めて奈良県外に、つまり東京で初めて、東京国立博物館で展示されている。

特別展「国宝 聖林寺十一面観音 三輪山信仰のみほとけ」
東京国立博物館 本館特別5室(東京・上野)
会期 622()912()
開館時間 午前930分~午後5(入館午後430分まで)
休館日  月曜日(8月9日は開館)
前売り日時指定券 一般1400円ほか 中学生以下無料。チケットは無料アプリ「美術展ナビ」などで購入。*予約不要の「当日券」(一般1500円)を会場で若干数用意
JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15
詳しくは公式サイト
ふだんは見られない後ろ姿も

奈良県桜井市の聖林寺が所蔵するこの「十一面観音菩薩立像」は天平彫刻の名品で、日本を代表する仏像のひとつ。江戸時代までは、今展に出展される国宝「地蔵菩薩立像」(奈良・法隆寺蔵)などとともに、同じ桜井市の大神おおみわ神社に付属する大御輪だいごりん寺にあった。

国宝「地蔵菩薩立像」(法隆寺蔵)

明治時代になり神仏分離によって、仏像は奈良県内の聖林寺や法隆寺、正暦寺などに移された。
三輪みわ山そのものを拝む自然信仰を今に伝える大神神社だが、奈良時代以降は仏教の影響を受けて、大御輪寺(当初は大神寺)や仏像もつくられた。ながく神と仏が一緒にまつられる「神仏習合」の地だった。
今展覧会は、「三輪山信仰のみほとけ」もテーマ。十一面観音菩薩立像と地蔵菩薩立像など、神仏分離で近隣の寺に移された仏像たちが約150年ぶりに再会を果たした。

日光菩薩立像と月光菩薩立像(いずれも奈良・正暦寺蔵)も十一面観音と150年ぶりの再会

三輪山の禁足地などで出土した古墳時代の祭祀に使われた出土品の数々も興味深い。三輪山のふもとには、ヤマト王権の成立にかかわる遺跡と評価されている纒向遺跡(桜井市)があり、三輪山の祭祀に先立つ存在として注目されている。

三輪山禁足地から出土した古墳時代の土師器や勾玉など(奈良・大神神社蔵)

今展は1年前の延期から、ようやく東京での展覧会が実現した。6月21日の内覧会を訪れた聖林寺の倉本明佳住職は「大きい空間で見るのは私も初めて。迫力があって改めてスターだと思いました。コロナ禍で身体のケアも大切ですが、観音様にお会いして心のケアもしていただければ嬉しいです」と感無量の表情だった。

会場を訪れた聖林寺の倉本明佳住職

トートバッグやTシャツ、ブレスレットなどのグッズも充実。倉本住職が監修し、時間をかけて制作したものだという。「何度もダメ出しして、納得いくものにしました。ぜひ手に取ってみてください」と倉本住職は話していた。
展覧会の詳細は展覧会公式サイト

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹、写真は内覧会で撮影)

【内覧会の様子を伝える美術展ナビのツイッターです】


【探訪】すべての顔で私を見ていてくれる 特別展「国宝 聖林寺十一面観音 三輪山信仰のみほとけ」

チケットは無料アプリ「美術展ナビ」で購入。予約不要の当日券(一般1500円)も若干数、会場で用意されている。

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