徳川秀忠拝領の装束や宗家秘蔵の能面も 国立能楽堂で行われた歴史的な能の公演映像を無料で公開

4月に国立能楽堂で開催された能の公演がダイジェスト映像として、国立オンライン劇場などの動画配信サービスで6月1日午前10時から無料で公開される。

今回の公演は、能の装束に、江戸幕府2代将軍・徳川秀忠からの拝領品として伝わる狩衣かりぎぬが用いられ、二つの宗家が互いの秘蔵の能面をかけるなど、能楽史上においても極めて貴重な舞台となった。無料公開期間は1年間の予定。

徳川秀忠公からの拝領品として観世宗家に伝わる「花色地青海波亀袷狩衣」。今回の公演で泰山府君の装束として使われた

流派を越え共演

公開されるのは、2021年4月22日に行われた企画公演のうち復曲能「泰山木たいさんもく」。能の流派・観世流宗家の観世清和氏と金剛流宗家の金剛永謹ひさのり氏がそれぞれ天女役と泰山府君役として共演。
流派を越えた共演だけでも珍しいが、さらに今回は各宗家に伝わる秘蔵の能面をお互いが用いるという能楽史上、記念すべき公演となった。

金剛宗家が秘蔵する能面「雪の小面」(龍右衛門作)をかけて天女を演じるシテ方観世流二十六世宗家・観世清和氏。「雪の小面」は豊臣秀吉が愛した面と伝わる
観世宗家秘蔵の能面「小癋見」(赤鶴作)をかけ、秀忠公拝領の狩衣をまとう金剛流二十六世宗家・金剛永謹氏。世阿弥が着用した面と伝わり、国の重要文化財にも指定されている。

国立オンライン劇場などで公開

能面や狩衣など、博物館に並ぶような名品が舞台上に揃った極めてまれな機会だったが、4月24日からの緊急事態宣言の直前で、公演自体は行われたが、見に行けなかった観客も多かった。そこで、インターネットによる公開が決まったという。

映像の公開は、
国立オンライン劇場(URL https://www.ntj.jac.go.jp/topics/top/2020/online.html )
日本博デジタルギャラリー(URL https://japanculturalexpo.bunka.go.jp/gallery/ )
で6月1日午前10時から。

公演写真は国立能楽堂提供、装束写真は観世宗家提供。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

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