【レビュー】王道の名手たちに光 「忘れられた江戸絵画史の本流-江戸狩野派の250年」 静岡県立美術館

狩野中信「鷹狩図」(日照軒コレクション)

展覧会名:「忘れられた江戸絵画史の本流-江戸狩野派の250年」

会期:2021年5月22日(土)~6月27日(日) 休館日:月曜日

 会場:静岡県立美術館(静岡市駿河区、JR東海道線草薙駅県大・美術館口から徒歩約25分、または草薙美術館線県立美術館行きのバスに乗って約6分。静岡鉄道県立美術館駅南口から徒歩15分、または草薙美術館線県立美術館行きのバスに乗って約3分)

観覧料金:一般当日券1200円、70歳以上600円ほか。

静岡県立美術館

江戸狩野派は江戸城にアトリエを持つ奥絵師4家を頂点とし、それを支えた表絵師12家が中核となって活動した。各家の当主だけでも江戸時代に約140人。江戸時代に将軍家や大名の注文を受け、江戸画壇の中心で活躍した主要な画家だけでも100人を超える。本展では、個人コレクターの所蔵する1500点を超える作品の中から、選りすぐった111点を紹介する。これまで公開されている作品は3点のみだ。

狩野洞白愛信「東方朔・西王母図屏風」(上が左、下が右) (日照軒コレクション)

近年、江戸絵画の人気は高く、伊藤若冲、長沢芦雪らがその中心となっている。だが、江戸絵画史の本流であったはずの江戸狩野派については、ほとんど紹介が進んでいないのが現状だ。江戸狩野派の中でも狩野探幽は17世紀を代表する画家として評価が高く、幕末狩野派も近年人気が高まっているが、今回の展覧会ではそこにとどまらず、これまであまり光が当たってこなかった18世紀の江戸狩野派の作品も数多く展示する。

狩野中信「鷹狩図」(日照軒コレクション)

さらに今回の展示に併せ、特別展示「江戸狩野派の古典学習-その基盤と広がり」も5月18日から6月27日まで、同美術館第7室で開催される。江戸狩野派の模本・直模作品などを集めた展示で、江戸狩野派が古典名画にどのようなアプローチをし、時代の潮流にあわせて表現を刷新していったか、その「学習」の実態を紹介する内容になっている。

狩野探幽「臨画帖」(個人蔵)(重要文化財)

(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班)

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