【プレビュー】個性豊かな清代の書画家たち 「揚州八怪」展 大阪市立美術館で6月12日から

汪士慎《梅花図冊》 清・乾隆6年(1741) 大和文華館蔵【前期展示】

特別展「揚州八怪」

会期:2021年6月12日(土)~8月15日(日) 休館日:月曜日(8月9日は開館)

会場:大阪市立美術館(大阪市天王寺区、JR、地下鉄御堂筋線・谷町線の天王寺駅から徒歩約10分)

観覧料金:一般1500円、高大生1000円ほか。

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中国江蘇省、揚子江と京杭大運河の「交差点」にある揚州市は、2500年あまりにわたる築城の歴史がある。遣隋使、遣唐使ともゆかりの深い、風光明媚で名所旧跡も数多い古都である。塩の集積地などとしての経済力を背景に、豊かな文化を花開かせたその都市で、18世紀の清代に活躍した書画家をまとめた呼称が「揚州八怪」である。

鄭燮《臨岣嶁碑文軸》清・乾隆 29 年(1764) 個人蔵

この時代、揚州に集まった書画家たちは、伝統的な手法をしっかりと学びつつ、新鮮で優れたな感覚を示した。今までとは違う感覚を表したため、後世の批評家たちから「揚州八怪」と称されたのである。批評家によって選ぶメンバーが異なるため、金農(きんのう)、鄭燮(ていしょう)を筆頭に、黄慎(こうしん)、李鱓(りぜん)、李方膺(りほうよう)、汪士慎(おうししん)、高翔(こうしょう)、羅聘(らへい)、高鳳翰(こうほうかん)、陳撰(ちんせん)、華嵒(かがん)、辺寿民(へんじゅみん)、楊法(ようほう)、閔貞(びんてい)、李葂(りべん)の15人の名前が挙げられるが、今回の展覧会では、そのうち12人の作品を集めた。

金農《隷書六言詩横披》 清・乾隆27年(1762) 東京国立博物館蔵(Image:TNM Image Archives)

「揚州八怪」の作品がまとめて紹介されることは日本国内ではあまりなく、大阪市立美術館では1969年以来、52年ぶりの開催になる。今回の展示は「先駆者たちの芸術」「揚州の怪傑たち」「揚州の文化人ネットワーク」「揚州八怪の遺伝子」の4章で構成。「八怪」の作品がどのように生まれ、どのような影響を残したのかまでを含めたその全貌を紹介していく。

趙之謙《富貴図軸》清・同治11年(1872)東京国立博物館蔵(Image:TNM Image Archives)【後期展示】

揚州八怪の作品の魅力は、洗練された表現の中に各個人の人間性が色濃く表れているところにある。また、その芸術は後世の書画家に大きな影響を与え、彼らを通じて現代にも継承されている。作品調査、資料提供などで協力を仰いだ上海博物館の研究員による名品紹介の映像などもあり、幅広い視点からその芸術が楽しめる。

高鳳翰 《山水花卉画冊⦅蓮⦆》 清・雍正12年 (1734)大阪市立美術館蔵【前期展示】

(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班)

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