【開幕】「刻を描く 田渕俊夫」徳川美術館(名古屋市)

「めだけ」(2007年/個人蔵)

日本画家・田渕俊夫(1941年~)の新作を含む50点を展示する。

田渕は、日本美術の長い伝統を受け継ぐ画家であり、画壇の重鎮となった今も、日本画の可能性を提示しつづけている。日常の中に悠久を感じるという田渕芸術の根幹は、15年にわたる愛知県立芸術大学の在籍時代に確立されたという。

 

展覧会名  特別展 ときを描く 田渕俊夫

会場 徳川美術館(愛知県名古屋市東区徳川町1017

会期 2021418日~530

休館日 月曜日53日~5日は開館、6日は休館)

観覧料 一般1400

 

5章からなる展示を主な作品で紹介する。

 

「刻(とき)」は田渕作品の中での大きなテーマのひとつ。旅先で見かけた何げない景色の中に、悠久の時間を描き出す。「大地悠久 オアシスの月」(2004/個人蔵)は、敦煌の街並みと満月を機上から見た一瞬の景を元にした。

「大地悠久 オアシスの月」(2004年/個人蔵)

 

田渕作品の奥にあるのは「人」。田渕は電線やビニールハウスなど通常は絵画に描かれない人工物も、人の営みを認めて、印象的に描き出した。

「泊」(1998/個人蔵)は、田渕が感動を覚えたという伊豆半島の港に停泊する漁船の群れを描いた作品。

「泊」(1998年/個人蔵)

挑戦と普遍、その混合の美を目指し、進化し続ける田渕芸術。「めだけ」(2007/個人蔵)は、「吹き抜けるような緑の風を、墨一色でどう表現できるのか、一種の挑戦でした」と田渕本人が語る絵だ。

「めだけ」(2007年/個人蔵)

また、59日まで期間限定で、令和の新天皇の即位儀式の最後にあたる大嘗祭のために献納された「悠紀地方風俗歌屏風ゆきちほうふぞくうたびょうぶ」(宮内庁蔵)が特別出品されている。大和絵の伝統的な技法が使われる一方で、宅配便らしい自動車や農作業の軽トラックという日常の営みが描かれた田渕らしい作品である。

詳細は、徳川美術館の展覧会公式ページへ。

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

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