生誕260年記念 特別展「北斎づくし」 東京・六本木で7月開幕 《北斎漫画》《冨嶽三十六景》《富嶽百景》の「全て」を展示

建築家・田根剛氏によるデジタル展示プラン (イメージは構想段階のものです)

展覧会名:生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」 

会期:202122日(木)~17日(金) 

休館日:10日(火)、24日(火)、日(火) 

会場:東京ミッドタウン・ホール[東京ミッドタウンB1 (東京・六本木、東京メトロ日比谷線六本木駅・都営大江戸線六本木駅より直結、東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩3分) 

詳しくは公式サイトへ。 

世界の美術史に燦然と輝く巨匠、葛飾北斎(1760~1849)の生誕260年を記念した大掛かりな展覧会。代表作である『北斎漫画嶽三十六景』『富嶽百景』の全ページ、全点、全図が一堂に会する大掛かりな内容だ。昨年夏、「北斎/HOKUSAI 2020」展として開催予定だったがコロナ禍のために延期。名称も新たに真夏の東京で、北斎作品埋め尽くされた展示空間を楽しめそうだ。 

<北斎漫画> 森羅万象3600図からなる絵手本で、初編から十五編までの全883ページを紹介。同時展示ため約500冊の『北斎漫画』を集める。 

葛飾北斎 『北斎漫画』十二編 浦上満氏蔵
葛飾北斎 『北斎漫画』十二編 浦上満氏蔵

<冨嶽三十六景> 圧倒的な知名度と完成度を誇る風景画。46点。

葛飾北斎 「冨嶽三十六景 常州牛堀」 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵
葛飾北斎 「冨嶽三十六景 甲州三坂水面」 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵(チコチンコレクション)

富嶽百景 神話や伝説、歴史を踏まえて四季折々の富士山の姿を描いた絵本。初編、二編、三編の3冊に計102図。初編の「跋文」(後書き)は有名。 

『富嶽百景』初編 浦上満氏蔵
『富嶽百景』初編 浦上満氏蔵

作品の質にこだわり、凝りに凝った展示> 

『北斎漫画』の全15巻、883ページをすべて展示するために、北斎の世界的コレクターとして知られる浦上満さんがコレクションを提供した。 

浦上満さん

展示空間の設計は、国際的に活躍する建築家・田根剛さん。フランス国立グランパレ美術館で2014年に開催された北斎展の会場デザインも手掛けた。 

田根剛さん

本展のキービジュアルや、会場のグラフィックはアートディレクターの祖父江慎さんが担当する。 

祖父江慎さん

展示解説はおなじみの橋本麻里さん。日本美術に詳しいライター・エディターで、永青文庫副館長を務める。 

橋本麻里さん

展示には凸版印刷による高細密なデジタル画像を活用。和紙の繊維もはっきり確認できるほどで、北斎の描いた世界に没入する。

「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」デジタルデータの拡大イメージ:山口県立萩美術館・浦上記念館(浦上コレクション) ©凸版印刷株式会社

(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班 岡部匡志)

内覧会の動画です