【プレビュー】洋画ファンのバイブルが創刊75周年 「SCREENを飾ったハリウッド・スターたち」展 国立映画アーカイブで4月13日から

『噂の二人』撮影中のオードリー・ヘプバーン(1961年) ⒸKindaieigasha

創刊75周年 SCREENを飾ったハリウッド・スターたち

Hollywood Stars in SCREEN  Magazine:Commemorating its 75th Anniversary

会期:2021年4月13日(火)~7月18日(日)(月曜休室、5月25日(火)~28日(金)、7月6日(火)~7日(水)も休室)

会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)(東京中央区京橋、東京メトロ銀座線・京橋駅徒歩1分、都営地下鉄浅草線・宝町駅徒歩1分、東京メトロ有楽町線・銀座一丁目徒歩5分、JR東京駅八重洲南口徒歩10分)

料金:一般250円、大学生130円ほか

外国映画、とりわけハリウッドのスター俳優に取材し、日本の映画ファンに本場の最新情報に届けてきた月刊誌「SCREEN」(近代映画社刊)が今年5月、創刊75年を迎えるのを記念した展覧会。同誌は1946年5月、タイロン・パワーと原節子の両面表紙で季刊の「ポートレート集」として創刊。翌年2月発行の第3号から月刊化して新たなスタートを切った。

外国から提供される写真や情報に頼った画一的な記事ではなく、自社の通信員をハリウッドに配置、スターたちの名前の声を伝え続けている「SCREEN」は、日本の映画ジャーナリズムにおいても独自の地位を築いてきた。本展では1990年代までを対象に、ハリウッドで独自に収めた華やかなスターフォトや、スターの来日時に撮影された貴重な写真などを特集。ファン垂涎の内容だ。

「SCREEN」のカメラがとらえたスターたち

1950年のボブ・ホープ以来、1990年代までに日本を訪れたハリウッド・スターたちの取材写真を展示。またハリウッド現地取材ならではの写真の数々を、名物記者ヤニ・ベカキスの仕事を中心に紹介する。

浅草国際劇場を訪れたクラーク・ゲーブル(1954年) ⒸKindaieigasha
エリザベス・テーラーとユール・ブリンナー(1961年) ⒸKindaieigasha
クリント・イーストウッド(1961年頃) ⒸKindaieigasha
初来日時のジョディー・フォスター(1977年) ⒸKindaieigasha
スティーブン・スピルバーグとハリウッド通信員ヤニ・ベガキス(1986年頃) ⒸKindaieigasha

ハリウッド・スターからのおくりもの

来日インタビュー時に書かれたオードリー・ヘプバーンのサインや、「SCREEN」とその読者にあてられたケーリー・グラントのサイン入りポートレートなど、「SCREEN」の財産である貴重な資料を展示。

チャールトン・ヘストンのサイン 近代映画社所蔵
ジェームズ・スチュアートのサイン入りポートレート 近代映画社所蔵

「SCREEN」75年の歴史から

1946年5月発行の創刊号をはじめとする各時代の誌面を展示。おなじみの「SCREEN」読者投票で選ぶ年間ベスト作品と、人気男女優の歴史をパネルで紹介する。

「SCREEN」1946年5月創刊号 国立映画アーカイブ所蔵
「SCREEN」1947年2月号(月刊化第1号) 国立映画アーカイブ所蔵
第29回ヴェネチア国際映画祭「国際映画図書展」サンマルコ獅子賞楯 近代映画社所蔵

異例の時期ながら、まもなくアカデミー賞の発表も行われる。映画界も苦しい状況が続くが、往年の大スターの姿を拝んで、スクリーンに華やかな大作が戻ってくる日を待ちたい。

(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班 岡部匡志)