【プレビュー】 「近代工芸と茶の湯のうつわ-四季のしつらい-」展 国立工芸館(金沢)で4月29日から

国立工芸館の金沢市への移転開館記念展の第3弾。時代によって移り変わる茶の湯に対する作家の思考や茶の湯の造形について、四季の取り合わせの中で紹介しようというもの。荒川豊蔵(陶芸)、松田権六(漆芸)、初代長野垤志=てつし=(金工)、三輪休和(陶芸)といった人間国宝が生み出した「茶の湯のうつわ」を中心に約150点が展示される。会場に設置されたQRコードにアクセスしてスマホ上で茶碗を回しながら見ることも。
国立工芸館石川移転開館記念展Ⅲ「近代工芸と茶の湯のうつわ-四季のしつらい-」展
国立工芸館(金沢市出羽町)
会期 4月29日(木・祝)―7月4日(日)
開館時間 午前9時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日 月曜日(5月3日は開館)、5月6日(木)
入館料 一般500円ほか 高校生以下および18歳未満無料
障がい者手帳提示の方および付添者1人まで無料
JR金沢駅からバスで10分「広坂・21世紀美術館」下車徒歩約7分~9分
同「出羽町」下車徒歩約7分
詳しくは同工芸館ホームページへ


茶の湯のうつわを楽しむ
茶碗、水指、茶器、花入など個々のうつわにスポットを当てて、造形や意匠の広がりを概観する。たとえば、令和2年度に新たに収蔵した荒川豊蔵(1894-1985)と加藤唐九郎(1897-1985)の志野の茶碗を見比べ、志野というやきものに対するそれぞれの考え方を探る。


取り合わせを楽しむ
茶碗と茶器、そこに水指が加わるなどしたうつわの取り合わせには、その場を設定した者の考え方が見える。今回の展示では季節や素材による取り合わせの制約を超えて、色や形、雰囲気など見た目で楽しむ取り合わせに。


現代の「茶の湯のうつわ」
2020年に工芸館の移転・開館を記念して行われた、12人の作家による制作プロジェクトでの作品を改めて展示する。
(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)