【プレビュー】キャリア50年超、16人のウーマンパワー 「アナザーエナジー展」 森美術館で4月22日開幕

カルメン・ヘレラ 撮影:Jason Schmidt 画像提供:Lisson Gallery

アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人

会期:2021年4月22日(木)~9月26日(日)会期中無休

会場:森美術館(東京・六本木、東京メトロ日比谷線・六本木駅から徒歩3分、都営地下鉄大江戸線・六本木駅から徒歩6分)

入館料:一般(平日)2000円(1800円)、(土日休日)2200円(2000円)ほか。事前予約可。専用オンラインサイトでチケットを購入すると()内の料金を適用。当日日時指定枠に空きがある場合は事前予約なしで入場可。

詳細は森美術館ウェブサイトへ。

世界各地で活躍する71歳から105歳までの現役女性アーティスト、計16人を紹介する意欲的な展覧会だ。50年以上にわたって創作活動を続けている彼女たちの初期作から代表作、本展のために制作した新作などを多角的に展示する。

性別や年齢、人種などのダイバーシティ(多様性)が重視される現代にあって、特にアートシーンでは長いキャリアを重ねてきた女性アーティストが近年、注目を集めている。今回の16人も世界の主要美術館で回顧展が開催され、マーケットでも作品が高値で取引されるなど、国際的に評価が高まっている。

とはいえ、彼女たちが脚光を集めるようになったのはこの10年ほど。アートシーンにおける競争やヒエラルキーをよそに、独自の道を追求してきた彼女たちを突き動かしてきた「力」とは何なのか。本展ではそれを「アナザーエナジー」と呼び、彼女たちの人生と作品を通じてその在り様を探る。いまだに女性の権利が十分に尊重されているとは言えない日本において、こうした展覧会が行われることで、前向きのパワーをもらえる女性も少なくないだろう。

16人の出展アーティストは以下の通り。

エテル・アドナン 1925年ベイルート生まれ、パリ在住

エテル・アドナン
撮影:Gilles Bassignac
エテル・アドナン《無題》2018年 油彩、キャンバス Courtesy: Sfeir-Semler Gallery Beirut / Hamburg

フィルダ・バーロウ 1944年 英国ニューカッスル・アポン・タイン生まれ、ロンドン在住

フィリダ・バーロウ
撮影:Cat Garcia
(参考図版)フィリダ・バーロウ 展示風景:「フィリダ・バーロウ:突堤2014」デュヴィーン・ギャラリー、テート・ブリテン(ロンドン)2014年 Courtesy: Hauser & Wirth 撮影:Alex Delfanne

アンナ・ボギギアン 1946年 カイロ生まれ、同地在住

(参考図版)アンナ・ボギギアン《空から落ちた流星》2018年 展示風景:アルテス・ムンディ8(ウェールズ、カーディフ)2019年◆

ミリアム・カーン 1949年 スイス・バーゼル生まれ、ブレガリア在住

ミリアム・カーン
画像提供:ワコウ・ワークス・オブ・アート(東京)
ミリアム・カーン《美しいブルー》2017年 油彩、キャンバス Courtesy: WAKO WORKS OF ART

リリ・デュジュリー 1941年 ベルギー・ルーセラーレ生まれ、ローフェンデゲム在住

リリ・デュジュリー
撮影:Rita Vereecke
リリ・デュジュリー《無題(均衡)》1967年 鉄 サイズ可変 展示風景:「時間の折り重なり」ミュ・ゼー(ベルギー、オーステンデ)2015年 撮影:Dirk Pauwels

アンナ・ベラ・ガイゲル 1933年 リオデジャネイロ生まれ、同地在住

アンナ・ベラ・ガイゲル
撮影:Diana Tamane
画像提供:Mendes Wood DM, São Paulo/Brussels/New York
(参考図版)アンナ・ベラ・ガイゲル《サーカ》2006年 展示風景:「サーカ」エヴァ・クラビン財団(リオ・デ・ジャネイロ)2006年

ベアトリス・ゴンザレス 1938年 コロンビア・ブカラマンガ生まれ、ボゴタ在住

ベアトリス・ゴンザレス
撮影:Revista Avianca
(参考図版)ベアトリス・ゴンザレス《インテリア・デコレーション》1981 キャンバスにスクリーンプリント 撮影:Mathias Voelzke

カルメン・ヘレラ 1915年 ハバナ生まれ、ニューヨーク在住

カルメン・ヘレラ
撮影:Jason Schmidt
画像提供:Lisson Gallery
カルメン・ヘレラ《赤い直角》2017-2018年 塗料、アルミニウム Courtesy: Lisson Gallery

キム・スンギ 1946年 韓国・扶餘(プヨ)生まれ、パリ在住

キム・スンギ
撮影:Patrick Bokanowski
(参考図版)キム・スンギ《プラスティークな状況III—10月のボルドー》1973年 ビデオ13分45秒

スザンヌ・レイシー 1945年 カリフォルニア州ワスコ生まれ、ロサンゼルス在住

スザンヌ・レイシー
撮影:Brittney Valdez
(参考図版)スザンヌ・レイシー《丸と四角》2015-2017年 2年にわたるプロジェクト、3日間のパフォーマンス、ビデオ・インスタレーション 撮影:Graham Kay

三島喜美代 1932年 大阪府生まれ、同地および岐阜県在住

三島喜美代
撮影:飯川雄大
画像提供:森美術館
三島喜美代 《作品 19-C5》2019年 シルクスクリーン印刷した陶に手彩色、鉄 サイズ可変 Courtesy: Taka Ishii Gallery

宮本和子 1942年 東京都生まれ、ニューヨーク在住

宮本和子
撮影:Christian Siekmeier
宮本和子《黒い芥子》1979年 黒い糸、釘 Courtesy: Exile, Vienna, and Take Ninagawa, Tokyo 展示風景:A.I.R.ギャラリー(ニューヨーク)1979年

センガ・ネングディ 1943年 シカゴ生まれ、コロラド州デンバー在住

センガ・ネングディ
撮影:Ron Pollard
(参考図版)センガ・ネングディ《R.S.V.P.のスタジオでのパフォーマンス》1976年 ゼラチン・シルバー・プリント Courtesy: Sprüth Magers and Thomas Erben Gallery

ヌヌンWS 1948年 インドネシア・ラワン生まれ、ジョグジャカルタ在住

ヌヌンWS
Nunung WS
ヌヌンWS《Dimensi Tenun(寸法を織る) #1 》2019年 アクリル絵具、キャンバス
425×180 cm(5点組)

アルピタ・シン 1937年 インド・バラナガル生まれ、ニューデリー在住

アルピタ・シン
Arpita Singh
アルピタ・シン《私のロリポップ・シティ:双子の出現》2005年 油彩、キャンバス 所蔵:ヴァデラ・アート・ギャラリー(ニューデリー)

ロビン・ホワイト 1946年 ニュージーランド テ・プケ生まれ、マスタートン在住

ロビン・ホワイト
撮影:Harry Culy
画像提供:McLeavey Gallery, Wellington
ロビン・ホワイト+ルハ・フィフィタ(共同制作)《大通り沿いに目にしたもの》(「真っ直ぐな道 2013-16」シリーズより)2015-2016年 顔料、草木染をしたバーククロス 展示風景:「大通り沿いに目にしたもの」ビクトリア国立美術館(メルボルン)2016年 撮影:Michael Fudakowski

本展企画者のひとり、同美術館の片岡真実館長は同展の狙いについて、次のようにコメントしている。

「国籍や活動の拠点も、扱うテーマや作風も異なる16名の作品が一堂に会することで興味深い化学反応が起こり、個々の作家性だけでなく、トランスナショナルな共通性や類似性を観察することができることでしょう。また、彼女たちは、 年齢や性別といったアイデンティティ、既存のジャンルやスタイルなどあらゆるステレオタイプから自由であろうとし続けてきたアーティストでもあります。その生き方はしなやかで強い。本展はこの16 人に代表される、同じようにアナザーエナジーを放つ世界中の女性たちへの賛歌でもあります。人生100年時代を生きる私たちに、挑戦しつづけるための何か熱いエネルギーとパワーを与えてくれることでしょう。日本でもジェンダー平等への気運が高まるなか、ジェンダーに関わらずすべての人にご覧いただきたい展覧会です」

詳しくは森美術館ウェブサイトへ。

(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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