【会期延長】「建物としての自画像」 国内美術館初のマーク・マンダース個展 東京都現代美術館で6月22日まで

《乾いた土の頭部》2015-16年

静謐と不穏が入り混じった世界に足を踏み入れると…。「建物としての自画像」と称する構想を基軸に、「一人の架空の芸術家の自画像を建物の枠組みを通して探求」して来たマーク・マンダース。国内美術館初の個展が東京都現代美術館で始まった。

「マーク・マンダース -マーク・マンダースの不在」展

東京都現代美術館 企画展示室3F(東京・江東区)

会  期  3月20()6月20()→6月22日(火)まで延長

開館時間  午前10時~午後6時(展示室入場は午後5時30分まで)

休館日   月曜日(5月3日は開館し5月6日が休館)→6月1日以降は無休

入館料   一般1500円ほか

新型コロナウイルス感染防止のため日付指定の予約優先チケットも販売

地下鉄半蔵門線清澄白河駅B2番出口より徒歩9分 大江戸線同駅A3番出口より徒歩13

詳しくは同館ホームページ

《未焼成の土の頭部》2011-14年

 

《マインド・スタディ》2010-11年 ボンネファンテン美術館蔵

マーク・マンダースは1968年オランダ生まれで、現在はベルギー在住。独特な時空間を組み込んだ彫刻作品とそのインスタレーションにより、1990年代から多くの展覧会に参加、国際的に高く評価されている。「建物としての自画像」とは、架空の芸術家として名付けた「マーク・マンダース」という人物の「自画像」を、「建物」の枠組みを用いて構築するというもの。その構想に沿って、建物の部屋の間取りやその中に置く彫刻やオブジェを次々と生み出し、インスタレーションとして展開していく。これまで同美術館では、コレクションした作品の展示をしたことはあったが、もっと全体像を知って欲しいと国内美術館初の個展を開くことになった。33点の作品が展示される。

《狐/鼠/ベルト》1992-93年

 

《4つの黄色い縦のコンポジション》2017-19年

風化したような今にも崩れそうにも見える質感と、逆に今作られたばかりの艶のある粘土のような質感。それぞれのパーツの緊張感のある配置。違和感のあるスケール。静謐さと不穏さの混興。ある瞬間ですべてが停止しているような、時間の流れを失くしたような感覚。作家が「凍結した瞬間」と呼ぶ世界は見るものに強烈な印象を残す。テーマにある「不在」は逆説的に強い「存在感」を示す。

 

《椅子の上の乾いた像》2011-15年 東京都現代美術館蔵

 

《舞台のアンドロイド(88%に縮小)》2002-14年=右

 

《ドローイングの廊下》1990-2021年

細い廊下の壁一面に貼られた、1990年から現在にいたるまでのドローイング。その時々に作家の頭の中に浮かんだアイデアが覗けそうだ。

 

《調査のため居住(2007年8月15日)》2005-07年=手前

 

開幕に先立って行われた記者会見では、マンダースもリモートで参加。「不在」「欠落」について問われ「私は制作している瞬間が好きだ。未完成な感じも好き。すべて不在につながる。その状態で次に何が起きるか、その時の感じが好きだ。私の作品の一つ一つを一か所に集めると、一つの大きな静かさを感じてもらえると思う」と語る。

リモートでの質疑応答に応じるマーク・マンダース

 

同時開催

「ライゾマティクス_マルティプレックス」(320日―620)企画展示室B2F

Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021受賞記念展」()企画展示室1F

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)

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