【開幕】「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザイン神話」展始まる 世田谷美術館

北欧のフィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルト(1898-1976)と妻のアイノ・アアルト(1894-1949)の作品を集めた「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」展が東京都世田谷区砧公園の世田谷美術館で始まった。アイノの作品を中心に図面、スケッチ、家具、建築模型、写真等約200点が展示されている。

会期:3月20日(土・祝)~6月20日(日) 月曜休館、ただし5月3日(月・祝)は開館、5月6日(木)休館

開館時間:午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)

会場:世田谷美術館(東急・用賀駅より徒歩17分、小田急・成城学園前駅よりバス)

観覧料:一般1200円、65歳以上1000円、大高生800円、中小生500円、日時指定予約制

詳細はハローダイヤル(050-5541-8600)、同館ホームページへ。

アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルト、1937年 Aalto Family Collection, Photo: Eino Mäkinen

1924年、アイノ・マルシオ(後のアイノ・アアルト)はまだ無名の建築家アルヴァ・アアルトの事務所を訪ねた。アイノはアルヴァの事務所に入ることになる。ともにヘルシンキ工科大学の卒業生だった2人は半年後に結婚。やがてアルヴァは建築界の巨匠と言われるようになる。

アイノもインテリアや家具デザインの創作に打ち込むとともに、アルヴァと対等な関係でアアルト事務所を牽引する。2人は互いの才能を認めあい、影響しあい、補完しあいながら作品をつくり続けた。今回の作品展はアイノの仕事に焦点を当てながら、アイノが54歳で他界するまでの2人の協働の軌跡を追う内容となっている。

アイノがパートナーとなったことでアルヴァに「暮らしを大切にする」との視点が生まれ、使いやすさや心地よさを重視した空間に、優しさや柔らかさが生まれていくことも見逃せない。 

来館者の1人は「すごくおしゃれなお宅に招かれたような気分になり、生活感も豊かに感じられる」と話していた。こちらの記事も参考に。

(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班)