日本庭園に囲まれた隈研吾設計の美術館 「棟方志功と民芸の仲間たち」展 廣澤美術館(茨城・筑西市)で開催中

《華狩頌》 棟方志功の代表作のひとつ。弓を引く格好の馬上の3人は弓を持っていない。

新国立競技場を手掛けた建築家・隈研吾氏が設計し、「令和」の提案者と言われる国文学者・中西進氏が命名した日本庭園に囲まれた美術館、廣澤美術館で「棟方志功と民芸の仲間たち」展が開かれている。同美術館は今年12日に開館、今回は初の展覧会となる。

開館記念「棟方志功 と民芸の仲間たち」展

廣澤美術館(茨城・筑西市)

会  期  1月2日()~4月13()

前 期  1月2日()~2月16()

後 期  2月18()~4月13()

開館時間  午前10時~午後4時30(入館は午後4時まで)

休館日   水曜日

入館料 一般1000円ほか

車  常磐自動車道・谷和原ICから国道294号で45

圏央道自動車道・常総ICから国道294号で35

電車 JR水戸線、関東鉄道常総線、真岡鉄道の下館駅からタクシーで10

詳しくは同美術館ホームページ

《東西南北頌》より右から《ヤマトタケルの柵》、《コノハナサクヤの柵》、《スサノオの柵》

筑波山を望む約100㌶の広大な敷地に、クラシックカーや古い鉄道車両、戦後初の国産旅客機YS11などの展示施設、貸農園、バイクのオフロードコース、マラソンコース、ゴルフ場などを備えたレジャー施設が連なる。その一角にある美術館は隈研吾の設計で、1600個の巨大な岩が外壁を覆い自然と一体化したような姿を見せる。さらにその周りを中西進氏により「つくは野の庭」と名付けられた日本庭園が囲む。庭園は「浄(きよら)の庭」、「炎(ほむら)の庭」、「寂(しじま)の庭」と、これも中西進氏によって命名された三つの庭からなる。

三角形をした美術館の一面。他の二面は岩で覆われている。

棟方志功は1903(明治36)年、青森市生まれ。画家を志して上京するが版画に目覚め、陶芸家の濱田庄司に見出されたと言われる。そこから柳宗悦や河井寛次郎など民芸運動の仲間たちとの関係を深めていく。濱田庄司の作陶の地である栃木県の益子、同じく陶芸の里である茨城県の笠間、両地に挟まれた筑西地域は一体の文化圏をなす。その関係もあり同美術館は棟方の作品を所蔵するようになる。今回の展覧会では同美術館所蔵の棟方の作品約40点を含め、濱田や河井など民芸運動をけん引した陶芸家の作品を合わせ、前後期で計約45点の作品を展示する。

《ハイビスカス妃の柵》
《乾坤飛妃天之図》

後期の展示では《華狩頌》、《東西南北頌》、《ハイビスカス妃の柵》といった棟方版画の代表作や、《乾坤飛妃天之図》、《御薬王神尊像図》、《御童神図》などの肉筆画、棟方を写した写真などが展示されている。

左から《童神図》、《華厳頌大施無畏尊象》
棟方志功(濱田益水撮影)

 

◆来年度予定  廣澤美術館と板谷波山記念館、しもだて美術館(いずれも茨城県筑西市)では、2022年4月~6月に筑西市出身(当時の下館町)の板谷波山生誕150年記念展を開き、波山の作品約150点を展示する。記念展は以後、東京、京都を巡回する予定。

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)

 

直前の記事

【プレビュー】日本の洋装の軌跡を克明に、多角的に 「ファッション イン ジャパン」展 島根県立石見美術館で3月20日から

ファッション イン ジャパン 1945‐2020―流行と社会 2021年3月20日(土・祝)~5月16日(日) 火曜休館、5月4日(火)は開館  島根県立石見美術館(島根県益田市、JR益田駅からバス5分、萩・石見空港から

続きを読む
新着情報一覧へ戻る