【プレビュー】 想像するだけで楽しい 「うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション」 国立工芸館(金沢)で1月30日開幕

富本憲吉《色絵家形筆架》1937 年 東京国立近代美術館蔵 撮影:アローアートワークス

タイトル通り「もし我が家にこんなものがあったら」と、想像するだけで暮らしが楽しくなる。そんなデザインの力を見せてくれる身近な作品の数々。国立工芸館(金沢市出羽町)の石川移転後の開館記念展第2弾はクリストファー・ドレッサー、富本憲吉、ルーシー・リーを中心に、国立工芸館のコレクションから厳選したデザイン・工芸作品約200点を紹介する展覧会。デザイン×工芸の入門編とも言えるもので、美術は難しいと感じている人も、小さな子どもも一緒に楽しめる。

 

ルーシー・リー《コーヒー・セット》1960 年頃 東京国立近代美術館蔵 Estate of the artist/撮影:エス・アンド・ティ フォト

展示は3部構成で第1部は「ろくろから生まれる冒険-ルーシー・リーのかたち」。ウィーン工業美術学校に学んだルーシー・リー(19021995)20世紀を代表する女性陶芸家の一人。空に向かって真っすぐ開く花のようなプロポーションや繊細な質感で知られる。彼女の作品から導かれる「飾ること」や「ティ-タイム」をキーワードに、ルネ・ラリックの《ブローチ》やバーナード・リーチの《ティーセット》も展示される。

 

富本憲吉《白磁珈琲器》1933 年 東京国立近代美術館蔵

第2部は「形と模様が作る生命―富本憲吉の図案」。「色絵磁器」で第一回重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された富本憲吉(18861963)。早くから量産陶器の製造を模索するなど、陶芸家としてだけでなくデザイナーとしても先駆的な実践を進めていた。「文字のちから」、「<量産>をデザインする」などをキーワードに、芹沢銈介の型絵染や田中一光のポスター、森正洋の《G型しょうゆさし》なども紹介する。

 

クリストファー・ドレッサー《卵立て》1878 年頃 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城卓

最後の第3部は「新時代の生活に息づく美―クリストファー・ドレッサーのデザイン」。イギリス最初のインダストリアルデザイナーとも言われるクリストファー・ドレッサー(18341904)は、家具や陶磁器、金属器、ガラス、染織品まで幅広くデザインした。また、正倉院御物など日本各地の古社寺や工芸品を視察、そこで得た知識とデザイン理念は西洋における日本美術への関心拡大に大きな役割を果たした。今回は「あこがれの日本」、「タイムレスなデザイン」などをキーワードにエミール・ガレのガラスやピエール・シャロ―の家具など、ヨーロッパのデザイン運動の流れを象徴する作品とともに展示する。

 

 

国立工芸館石川移転開館記念展Ⅱ

「うちにこんなのあったら展  気になるデザイン×工芸コレクション」

国立工芸館(金沢市出羽町)

2021年130()415()

 

詳しくは同館ホームページ

 

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)

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