【プレビュー】田中一村展 新出の作品も多数 新春の千葉市美術館

田中一村展 ー千葉市美術館収蔵全作品
千葉市美術館(千葉市中央区)
2021年1月5日(火)―2月28日(日)
奄美大島を舞台に、亜熱帯の花鳥や風土を描いた独特の日本画で没後に大きな注目を集めた田中一村(1908-1977)。千葉市美術館では2010年に大規模回顧展「田中一村 新たなる全貌」を開催。彼の画業を大幅に見直し、一般のファンに大いに広めた。同館ではその後も調査を進め、この10年の間に100点を超える作品・資料の寄託や寄贈を受けたという。

本展では同館で収蔵した作品・資料をすべて公開。東京で神童と呼ばれた10歳代のころから、奄美で亡くなる前年に描いたものまで約130点の作品・資料について時代を追う形で展示する。奄美時代を代表する傑作《アダンの海辺》が再び展示されるほか、23歳の時の作品で、彼の転換点となった《椿図屏風》など注目作が出展される。




同館のこれまでの豊富な研究を踏まえた展示で、一村の画業の新たな面を知る貴重な機会になりそうだ。詳しくは同館ホームページへ。
【田中一村(たなか・いっそん)】 栃木県生まれ。東京美術学校(現・東京藝大)に1926年に入学も中退。千葉に20年間住み、50歳代になって奄美大島に移住。亜熱帯の花鳥や風土を題材にした独特の日本画を描き続けた。
(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班 岡部匡志)