フィンセント・ファン・ゴッホ 《夜のプロヴァンスの田舎道》 1890年5月12-15日頃
油彩、カンヴァス 90.6×72cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント |
会場:名古屋市美術館(名古屋市中区栄2-17-25、白川公園内) |
会期:2022年2月23日(水・祝)~4月10日(日)※日時指定予約制 |
休館日:3月7日(月)、3月28日(月) |
開館時間:午前9時30分~午後5時、金曜日は午後8時まで(入場は閉館の30分前まで) |
平日 一般 1,900円/ 高大生 1,300円
土日祝 一般 2,000円/ 高大生 1,400円
中学生以下は無料(日時指定予約不要) |
問い合わせ先:050-5542-8600 (9:00-20:00)
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フィンセント・ファン・ゴッホ(1853―1890)の傑作がまた来日する。本展では、20世紀初頭にゴッホに魅入られ、世界最大の個人収集家となったヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869―1939)の集めた作品が中心となっている。
ヘレーネ・クレラー=ミュラー ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
オランダの資産家だったヘレーネは夫とともに、当時まだ評価の定まっていなかったファン・ゴッホ作品の価値を認め、熱心に収集。約90点の絵画と180点を超える素描、版画を集めた。その後、公開をスタート。1920年代以降は国外の展覧会にも作品を提供し、ファン・ゴッホの評価の形成に大きな役割を果たした。晩年にはオランダに「クレラー=ミュラー美術館」を設立、初代館長を務めた。同館は現在もファン・ゴッホ作品の収蔵では、アムステルダムのファン・ゴッホ美術館に次ぐ世界の中核的存在となっている。
クレラー=ミュラー美術館外観 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
本展ではクレラー=ミュラー美術館のコレクションから絵画28点と素描20点を展示する。青年時代の素描をはじめ、新印象派の影響を残すパリ時代の《レストランの内部》
フィンセント・ファン・ゴッホ 《レストランの内部》 1887年夏 油彩、カンヴァス 45.5×56cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
黄と青の対照がまばゆいアルル時代の《種まく人》
フィンセント・ファン・ゴッホ 《種まく人》 1888年6月17-28日頃 油彩、カンヴァス 64.2×80.3cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
糸杉を描いたサン=レミ時代の傑作《夜のプロヴァンスの田舎道》など主要作がずらり。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《夜のプロヴァンスの田舎道》 1890年5月12-15日頃 油彩、カンヴァス 90.6×72cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
初期から晩年まで幅広く収蔵するクレラ―=ミュラー美術館所蔵の作品群で、ファン・ゴッホの画業をたどることができる。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《麦わら帽子のある静物》 1881年11月後半-12月半ば 油彩、カンヴァスに貼った紙 36.5×53.6cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《森のはずれ》 1883年8-9月 油彩、カンヴァス 33.8×48.5cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《石膏像のある静物》 1887年後半 油彩、カンヴァス 55×46cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《糸杉に囲まれた果樹園》 1888年4月 油彩、カンヴァス 64.9×81.2cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《レモンの籠と瓶》 1888年5月 油彩、カンヴァス 53.9×64.3cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《サン=レミの療養院の庭》 1889年5月 油彩、カンヴァス 91.5×72cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《悲しむ老人(「永遠の門にて」)》 1890年5月 油彩、カンヴァス 81.8×65.5cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《花咲くマロニエの木》 1890年5月22-23日 油彩、カンヴァス 63.3×49.8cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
さらに、ファン・ゴッホの弟テオ、その妻ヨハンナ(ヨー)が引き継いだコレクションを核とするファン・ゴッホ美術館から、《黄色い家(通り)》を含むゴッホの絵画4点を紹介する。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《黄色い家(通り)》 1888年9月 油彩、カンヴァス 72×91.5cmファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵 ©Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)
また、クレラー=ミュラー美術館のコレクションから、ヘレーネの関心や収集傾向を明らかにするミレー、ルノワール、スーラ、ルドン、モンドリアンらの作品20点もあわせて展示する。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《カフェにて》 1877年頃 油彩、カンヴァス 35.7×27.5cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
オディロン・ルドン 《キュクロプス》 1914年頃 油彩、板に貼った厚紙 65.8×52.7cm クレラー=ミュラー美術館蔵 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
本展は東京展のあと、福岡市美術館《2021年12月23日(木)~2022年2月13日(日)》、名古屋市美術館《2022年2月23日(水)~4月10日(日)》へ巡回する。
(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班 岡部匡志)
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