雪舟の「山水長巻」など堪能 毛利博物館「特別展 国宝」

会場では、長さ16メートルの雪舟「四季山水図(山水長巻)」(国宝)を広げて展示

旧長州藩主・毛利家に伝わる至宝を紹介する「特別展 国宝」が12月21日(月)まで山口県防府市の毛利博物館で開催されている。

毛利博物館(山口県防府市)

毛利博物館は、1916年(大正5年)完成の重要文化財・旧毛利家本邸の一部を利用。国宝4件(7点)、重要文化財9件(約9000点)を含む毛利家伝来の美術工芸品や史料約2万点を所蔵している。

同館では、毎年秋に国宝を特別公開する展覧会を開いており、今年は生誕600年にあたる室町時代の画僧・雪舟による国宝の「四季山水図(山水長巻)」をはじめ、国宝・重要文化財を含む美術工芸品や古文書など約30点を展示している。

雪舟「四季山水図(山水長巻)」(国宝)から冒頭近くの春
雪舟「四季山水図(山水長巻)」(国宝)からにぎやかな秋の場面
雪舟「四季山水図(山水長巻)」(国宝)から冬

雪舟が1486年に完成させた山水長巻は、山口の守護大名、大内政弘に献上したとされ、大内氏の滅亡後に毛利家の所有となった。雪舟はこの代表作で、四季の微妙な変化を春から冬まで描いた。雪舟の特徴である、画面上から垂直に下りるように切り立った岩、折れ曲がった木の枝など、雄大な構図で力強く、大胆な筆の運びを見ることができる。会場では縦約40センチ、全長約16メートルの絵巻を広げた状態で展示しており、来場者はその迫力に圧倒されながらも、ゆるやかに移り変わる季節の風景や人々の生活の様子をじっくりとたどりながら見ていた。

現存最古の写本とされる高野切本の「古今和歌集 巻第八」(国宝・部分)

所蔵品の中でも、現存最古の写本とされる高野切本の「古今和歌集 巻第八」や、平安時代中期に大江家国が書写した最古の写本「史記 呂后本紀第九」(いずれも国宝)など、平安時代以降の書跡・典籍類は、毛利家が学問に秀でた大江氏の流れをくむことを示す貴重な品々でもある。

「史記 呂后本紀第九」(国宝・部分)
「太刀 伝友成」(重要文化財)

このほか、平安時代後期の備前の名匠、友成の手によると推定される「太刀 伝友成」や、毛利輝元が豊臣秀吉から与えられたという華麗な能装束(ともに重要文化財)、第13代藩主・毛利敬親(たかちか)夫人、都美(とみ)姫所用の甲冑(かっちゅう)で、華やかな金具や胴の錦が目を引き、裾に向かって糸の色が徐々に濃くなるさまも美しい「錦包二枚胴具足」といった、武家ならではの名品も並んでいる。

輝元が秀吉から与えられたとされる「能装束 紅萌葱地山道菊桐文様片身替唐織」(重要文化財)
幕末の藩主・毛利敬親夫人所用の甲冑「錦包二枚胴具足」

<展覧会概要>

【会期】2020年10月31日(土)~12月21日(月)

【会場】毛利博物館(山口県防府市多々良1の15の1)

【開館時間】午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

【休館日】会期中無休

【観覧料】高校生以上1000円(庭園と共通・1200円)、小・中学生500円(同600円)、未就学児無料。20人以上の団体は各1割引き。

【問い合わせ】同館 0835・22・0001、同館ホームページへ。

【主催】毛利報公会

【共催】読売新聞社、KRY山口放送

【後援】防府市、防府観光コンベンション協会

◎新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、会場では、マスク着用や手指の消毒などへ協力をお願いしています。

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