レンズ越しに見たアジアの表情 「瀬戸正人 記憶の地図」開幕(東京都写真美術館)

写真家・瀬戸正人の個展「瀬戸正人 記憶の地図」が東京都写真美術館で開幕した。
瀬戸正人(1953~)は、日本人の父とベトナム人の母を持ち、タイで幼少期を過ごした。1996年に第21回木村伊兵衛写真賞を受賞するなど、現代日本を代表する写真家の一人として高い評価を得ている。
本展は、デビュー作〈バンコク、ハノイ1982-1987〉から最新作〈Silent Mode2020〉に至る各時代の代表作を並べ、瀬戸が見たアジアの表情を紹介。生まれ故郷のバンコクと、母の親戚が住むハノイを約20年ぶりに訪れて撮影したシリーズ〈バンコク、ハノイ1982-1987〉は、東南アジア2大都市の街と人々を写すフォト・ドキュメントであるとともに、自らのルーツをたどるパーソナル・ヒストリーでもある。瀬戸自身、「写真は『記録』であると同時に『記憶』でもある」と語っている。そんな瀬戸の記憶が作品に投影され、見る者の心に訴えかける。
2021年1月24日まで。