キーワードは都市文化 「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」展 アーティゾン美術館で開催中

俵屋宗達、尾形光琳、マネ、モネ、ドガ、ルノワールといった東西の都市文化が生んだ天才画家たちの作品を通して、洗練された美意識の到達点を比較しようという展覧会「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」が、アーティゾン美術館(東京・中央区)で14日始まった。

琳派は17世紀初めの宗達、18世紀初めの光琳らによって京都の町人文化として生まれ、19世紀初めに酒井抱一や鈴木其一らによって江戸に引き継がれた、装飾的な美感を核とした美術。一方、印象派は19世紀後半のフランス・パリを中心に、日常生活の中での印象や喜びを率直に表現する新しく起こった近代ヨーロッパの美術。

今回は、この東西の大都市ならではの洗練された美意識の到達点を比較しながら見渡そうというもの。アーティゾン美術館の所蔵品に国内の寺院、美術館、博物館から代表的な作品を加え、国宝2点や重要文化財7点を含む約100点の作品で構成される。アーティゾン美術館の前身であるブリヂストン美術館が建て替えのため休館した2015年以降の新収蔵作品の中から、尾形光琳《孔雀立葵図屛風》(重要文化財)など12点も初公開される。俵屋宗達《風神雷神図屛風》(国宝)=後期のみ展示=も。

展示構成は序章の「都市の様子」から終章の「都市を離れて」まで5章。第1章「the琳派」、第3章「the印象派」ではそれぞれの作品を紹介。第2章では「水の表現」や「間(ま)」などの5項目で、両派の作品を並べて展示している。
また、11月3日から2021年1月24日まで石橋財団コレクション選 特集コーナー展示として、青木繁の《海の幸》や《わだつみのいろこの宮》、長く非公開だった「仮面スケッチ」の中の3点、坂本繁二郎の《幽光》など久留米をめぐる画家たちの作品も展示している。
「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」展
2020年11月14日(土)~2021年1月24日(日)
前期 2020年11月14日(土)~12月20日(日)
後期 12月22日(火)~2021年1月24日(日)
前後期で展示入れ替えあり
アーティゾン美術館(東京・中央区)
日時指定予約制
詳細は同美術館ホームページへ
(読売新聞事業局美術展ナビ編集班)