「1894 Visions ルドン、ロートレック展」 三菱一号館美術館(東京・丸の内)開催中

オディロン・ルドン 《グラン・ブーケ(大きな花束)》 1901年 パステル/画布 248.3×162.9cm 三菱一号館美術館蔵

19世紀末のフランスで活躍した二人の画家、オディロン・ルドンとトゥールーズ=ロートレックに焦点を当てた「1894 Visions ルドン、ロートレック展」が24日、三菱一号館美術館(東京・丸の内)で始まった。同美術館開館10周年の一連の展覧会の最後となるもの。同館コレクションの中核をなす二人の作品と岐阜県美術館所蔵の作品を中心に、ルドンの貴重な木炭やパステル画、ゴーガンの多色刷りの木版画、山本芳翠など明治洋画の旗手の作品など前期・後期それぞれ約120点の作品が展示される。会期は来年117日まで。

1894年竣工当時の旧三菱一号館

三菱一号館が竣工した1894(明治27)は、ルドンが初めて色彩の作品を発表した年であり、ロートレックが最も精力的に作品を制作した頃でもある。

展示は6章で構成され、第1章は「19世紀後半、ルドンとトゥールーズ=ロートレックの周辺」。同時代に活躍した印象派のルノワールやモネ、ミレーなどの作品が展示される。

第2章は「NOIR―ルドンの黒」。「絶対の探求…哲学者」や「沼の花」、「『夢の中で』Ⅷ.幻視」など、ルドンと言えばまず思い浮かべる木炭画や石版画などが並ぶ。

オディロン・ルドンの木炭画などが展示された第2章

 

オディロン・ルドン 石版画集『夢のなかで』《Ⅷ. 幻視》 1879年 リトグラフ/紙 27.4×19.8cm
三菱一号館美術館蔵   【展示期間:10月24日~11月23日】

 

ルドンは1840年にフランス南西部のボルドーで生まれ、版画家としてデビュー。同世代の印象派が外界に目を向けたのに対し、内面の夢と想像の世界から多くの想を得た。木炭や石版を使った「黒」の作品を制作したが、徐々に色彩画に移行していく。

第3章「画家=版画家 トゥールーズ=ロートレック」は、「民衆歌手」でありキャバレーの経営者でもあったアリスティド・ブリュアンを描いた作品など。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《アリスティド・ブリュアン 彼のキャバレーにて》 1893年
リトグラフ/紙 138.2×98.5cm 三菱一号館美術館蔵

第4章「1894年 パリの中のタヒチ、フランスの中の日本―絵画と版画、芸術と装飾」では「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」や「『ジャンヌ・アヴリル』誌の表紙」といったロートレックのリトグラフによる作品を中心に、ゴーガンの版画などが並ぶ。

トゥールーズ=ロートレックのリトグラフが並ぶ第4章

1864年生まれのロートレックは歴史画家を目指すが挫折。パリのモンマルトルに住み周囲の人々をモデルに絵を描いていたが、当時盛んに使われるようになったカラー・リトグラフ(多色石版画)を用いて「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」でデビューを果たす。

19世紀末は西洋と東洋、油絵とリトグラフ、芸術と工芸といった古いカテゴリーを超えて、新しい感性が作品を生んでいった時代だった。ルドンやロートレックが追及した装飾芸術、版画芸術は20世紀になると徐々に下火になっていくが、今また改めて評価されるようになってきている。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 『レスタンプ・オリジナル』《第1年次のための表紙》 1893年
リトグラフ/紙  57.6×82.5cm  三菱一号館美術館蔵

1878年のパリ万博の際に訪仏した山本芳翠はルドンと同じ師に学び、木炭の技術を習得する。帰国後は明治美術会の創立メンバーとして活躍、日本における洋画の普及に努める。

第5章では山本を始め、黒田清輝、浅井忠らの作品が展示されている。

山本芳翠の 《浦島》 1893-95年頃 油彩/画布 122.0×168.0cm 岐阜県美術館蔵(右)などの作品が並ぶ第5章

6章「近代―彼方の白光」はパステルを使った色彩画を描くようになったルドンの作品を中心に並ぶ。灯りを落とした室内に、ただ1点掛けられた「グラン・ブーケ」が鮮やかだ。

 

1894 Visions ルドン、ロートレック展」

会期20201024()2021年1月17()

会期中、展示替えあり

三菱一号館美術館(東京・丸の内)

各時間の入場人数に制限あり

 詳細は同展サイト

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