孫が、子が、私が見た 「平成を彩った絵本作家たち」 国際子ども図書館(東京・上野公園)で開催中

今孫が見ている、子どもが小さい時に見た、私も見た…みんなが小さい時に見ていた絵本。そんな絵本に出会えるかも。
「ぐりとぐら」や「だるまちゃんとてんぐちゃん」、「14ひきのあさごはん」など数々の名作絵本を生んだ昭和。その文化を土台に、平成の作家たちはどんな作品を世に出してきたか。国立国会図書館国際子ども図書館(東京・上野公園)で展示会「平成を彩った絵本作家たち」が開かれている。同館開館20周年を記念して開かれているもので、平成に活躍した絵本作家35人、約200点の絵本が展示されている。いずれも一人(一組)で絵と文の両方を手掛けている。会期は12月27日(日)まで。
会場に入ると正面に、昭和の絵本のケースがある。前述の3冊の他にも「100万回生きたねこ」や「旅の絵本」、「きんぎょがにげた」など懐かしい絵本が並ぶ。平成の絵本は左右に設けられた二つの円筒形の部屋の、外縁と内縁のガラスケースの中に展示されている。入り口から向かって左の部屋からほぼ年代順に並ぶ。手に取って読むことはできないが、ガラス越しでもそれぞれの絵本の特徴が見て取れる。ケースの上の壁面にはそれぞれの作家の紹介などがある。


平成の作家たちは昭和の絵本の影響を受けながら、より一層個性的で多様な作風を見せる。作者の紹介とともに、平成の絵本や作家の特徴、解説も掲示されており興味深く読める。
平成の絵本は制作方法も多様化し、銅版画やテンペラ画で描かれたものもある。海外でデビューし活躍してから日本に紹介される作家の「逆輸入」型絵本や、編集者がワークショップなどで新人を発掘したり育てたりする例も取り上げられている。また、絵本を見る層の低年齢化という昭和からの流れがある。そこに自治体が赤ちゃん誕生に合わせて絵本を贈る「ブックスタート」事業の影響も加わってか、赤ちゃん向け絵本の出版が一層活発になっているとされる。一方、東日本大震災などを経て、読者が強烈な色彩など感情に直接訴えかける表現を求めるようになったという傾向も見える。
国際子ども図書館開館20周年記念展示会
「平成を彩った絵本作家たち」
会期9月29日(火)~12月27日(日)
(月曜、国民の祝日・休日、第3水曜は休館)
国立国会図書館国際子ども図書館 レンガ棟3階 本のミュージアム
入場無料
詳細は同館ホームページで