国宝、重文がずらり 特別展「桃山―天下人の100年」 東京国立博物館(東京・上野公園)で開催中

四季花鳥図屛風 伝狩野永徳筆 安土桃山時代・天正9年(1581) 兵庫・白鶴美術館蔵

狩野元信、永徳、探幽、山楽、長谷川等伯……。一歩会場に入ると、教科書などで見たことのある国宝や重要文化財の絵が圧倒的な迫力で次々とせまってくる。千利休や古田織部が愛用、あるいは制作した茶道具、豊臣秀吉、徳川家康ゆかりの甲冑や刀剣も並ぶ。

政治史の安土桃山時代は室町幕府滅亡から江戸幕府開府までの30年間を指す。日本美術史上最も豪壮華麗な桃山美術だが、日本人の美意識が大きく変わった時代でもある。今回の展示は7部構成。室町後期の桃山様式胎動期から江戸時代前半の桃山様式の爛熟期までの100年で、日本人の美意識がどう変わっていったかを国宝17件、重要文化財94件を含む約230件の美術作品を通して見ていく。

(右隻) 
国宝 洛中洛外図屛風(上杉家本) 狩野永徳筆 室町時代・永禄8年(1565) 山形・米沢市上杉博物館蔵 前期展示

1章「桃山の精髄―天下人の造形」

狩野永徳らの洛中洛外図を皮切りに、安土桃山時代を代表する画家たちによる豪壮華麗な障屛画や、志野や織部に代表される茶器、戦国武将の甲冑、南蛮美術など桃山時代を特徴づける美術品が並ぶ。

国宝 楓図壁貼付(かえでずかべはりつけ) 長谷川等伯筆 
安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 京都・智積院蔵 通期展示
重要文化財 花鳥蒔絵螺鈿聖龕(かちょうまきえらでんせいがん) 
安土桃山時代・16世紀 九州国立博物館蔵 前期展示

第2章「変革期の100年―室町から江戸へ」

天皇や織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らの書や肖像画、同じ題材を描いた絵画、硯箱や茶器、貨幣や鏡などを通して、100年の間に美術の表現がどう変わっていったかを見る。狩野宗秀による見慣れた「織田信長像」(1583)より、やや面長の永徳による「織田信長像」(1584)も。

第3章「桃山前夜―戦国の美」

大内義隆が厳島神社に寄進した「黒韋肩赤威鎧(くろかわかたあかおどしのよろい)」が入口に据えられた第3章。禅宗寺院の大画面障壁画や京の姿を描いた洛中図、人気の輸出品だった金屛風など、室町末期の古典的な美の姿を確かめながら、次に訪れる桃山文化の萌芽を探る。

第4章「茶の湯の大成―利休から織部へ」

流行にとらわれず自分の眼で心に叶う道具を選び、自らも新たな道具を作り出した千利休。その精神を受け継いだ古田織部。二人のゆかりの品や、茶碗、茶杓、水指など、激動の時代を生きた人々の心を映す力強い造形の名品が並ぶ。

(一双のうち左隻)
国宝 花下遊楽図屛風(かかゆうらくずびょうぶ) 狩野長信筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵 通期展示

第5章「桃山の成熟―豪壮から瀟洒へ」

桃山時代の絵画様式そのものとなった狩野永徳の豪壮な絵画表現だが、後継者たちは優美で自然な調和を重んじた世界へと移っていく。やきものも偶然性のある力強い造形からデザインされた美へと進む。人々の生き生きとした暮らし振りや、傾奇者(かぶきもの)が闊歩する風俗画が目を引く。

重要文化財 色々糸威胴丸 室町~安土桃山時代・16世紀 山形・致道博物館蔵(手前)など甲冑や刀剣が並ん第6章

第6章「武将の装い―刀剣と甲冑」

室内いっぱいに並んだ甲冑と刀剣。常にいくさの渦中にあった安土桃山時代にあって、刀剣や甲冑は生死を決する重要な装備。一方で実用だけではない装飾や工夫で、地位の表現や風格を競った。それぞれに個性的な中に、武将たちの生死をかけた装いが見て取れる。

(部分)
重要文化財 松鷹図襖・壁貼付 狩野山楽筆 江戸時代・寛永3年(1626) 京都市(元離宮二条城事務所)蔵 通期展示

第7章「泰平の世へ―再編される権力の美」

江戸時代の武家の美術が桃山美術を母体としながら、室町時代からの伝統的価値観を再編して誕生したことを、二条城大広間の襖絵など格調高い作品で見ていく。

 

 

特別展「桃山―天下人の100年」

会期10月6日()1129()

前期10月6日()11月1日() 後期11月3日(火・祝)1129()

前期、後期で展示入れ替えあり

東京国立博物館 平成館

入場券は事前予約制

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