東京藝術大学のオールスター 一挙登場 「藝大コレクション展」

東京藝術大学には、1889年(明治22年)に前身の東京美術学校が開校して以来、重要な美術作品や資料が収集され、引き継がれている。この「藝大コレクション」から約150点を選び、第1部「『日本美術』を創る」、第2部「自画像をめぐる冒険」の2部構成で、収集の軌跡と大学の歩みを紹介する「藝大コレクション展 2020 ー藝大年代記ー」が同大大学美術館で開かれている。今年初夏に開催予定だったが、コロナウイルス感染症対策のために延期されていた。10月25日まで。
第1部では開校時に収蔵された天平時代の《絵因果経》(国宝)や桃山時代の伝狩野永徳《松鷹図屛風》、その後、営々と収集された近代洋画、日本画作品などが一堂に公開されている。


第2部では、歴代藝大生の自画像群を特集。卒業生の自画像制作は、西洋画科の卒業課題としてはじまり、現在まで脈々と受け継がれた伝統で、巨匠たちの若き日の姿、技量を伝える点でも興味深い。

近現代美術史・大学史研究センターの史料も
同大の教育資料編纂室を発展させて今年度に開設された「近現代美術史・大学史研究センター」(古田亮センター長)からも、明治時代の学生の「在学證書」や岡倉天心追悼会(1913年)の芳名帖などが出品されている。同センターは現在、資料のデジタル化などを進めており、順次公開予定。研究者が閲覧できるのは来年度の見込み。
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藝大コレクション展 2020 ー藝大年代記ー
2020年9月26日(土)~10月25日(日) 東京藝術大学大学美術館(上野)