総入れ替え「The UKIYO-E 2020 – 日本三大浮世絵コレクション」後期展示 東京都美術館で始まる

東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」 大判錦絵 寛政6年(1794)5月 日本浮世絵博物館

太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団という日本三大浮世絵コレクションから選りすぐりの浮世絵版画を集めた「The UKIYO-E 2020 – 浮世絵コレクション」後期展示が8月25日、東京都美術館(上野)で始まった。

菱川師宣、鳥居清倍(きよます)、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川国貞、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳といった約60人の絵師。前期展示の作品すべてを展示替えした。

年代順の展示や「初期浮世絵」、「錦絵の誕生」、「美人画・役者絵の展開」、「多様化する表現」、「自然描写と物語の世界」という5章からなる章立ては前期と同じ。前期展示を見た人も同じ絵師の別の作品を見たり、一部の作品は同じ作品でも別の摺りを見たりと楽しめる。

浮世絵の始祖と言われる菱川師宣の後期展示の作品は「よしはらの躰 遊興の図」。初期版画特有の直線的な線と清々しさが見える。現代でも歌舞伎座の絵看板を作るという鳥居派。その二代目・鳥居清倍の作品は「『かみすき十郎』 二代目藤村半太夫の虎 勝山又五郎の十郎」。特徴である輪郭線の強弱がよく分かる。

東洲斎写楽は「市川鰕蔵の竹村定之進」や「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」など9点が展示されている。珍しいのは「恵比寿」。役者絵や相撲絵がほとんどの写楽の作品の中に福神と武者絵がそれぞれ2点あり、これはその1点。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」 横大判錦絵 天保元~4年(1830~33)頃 
写真は平木浮世絵財団のもので前期展示。後期は太田記念美術館の同作品が展示されている。

葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は9点を展示。冒頭の「凱風快晴」「山下白雨」「神奈川沖浪裏」の3点は、前期に展示されたものとは別の所蔵館の作品。

歌川広重の「東海道五拾三次之内」は6点が展示されているが、その中の「庄野 白雨」は太田記念美術館蔵と日本浮世絵博物館蔵の2点が展示されている。前期は平木浮世絵財団のものが展示されていた。

歌川国芳「人をばかにした人だ」 大判錦絵 弘化4年(1847)頃 日本浮世絵博物館

 

The UKIYO-E 2020 – 本三大浮世絵コレクション」

2020年723日~922日 東京都美術館

後期=825日~922

日時指定のチケット予約制。

詳細は展覧会式サイトで。