現代の絵画に通じる『北斎漫画』の魅力 「浦上コレクション 北斎漫画」開幕(高知県立美術館)

江戸の浮世絵師・葛飾北斎の代表作の一つ『北斎漫画』を紹介する「浦上コレクション 北斎漫画」が、高知県立美術館で開幕した。
「画狂人」と自称した北斎の生涯は、まさに創作の連続だった。役者絵や美人画、花鳥画、「富嶽三十六景」に代表される名所絵など、新たなジャンルを開拓していく一方で、一点物の肉筆画や、曲亭馬琴らの読み本の挿絵、数多くの門人のために描いた絵手本も手掛けた。
『北斎漫画』は 1814年に名古屋の版元・永楽屋東四郎(東壁堂)から出版され、60年以上の長きにわたり全15編が刊行された。活き活きとした人物表現、ユーモアに満ちた内容、独自の視点に基づいた構図など、『北斎漫画』の魅力は当時のヨーロッパにも伝わり、ジャポニスム・ブームの誘因の一つになったとされる。
本展は、世界一の質と量と評される『北斎漫画』コレクター、浦上満氏のコレクションより、『北斎漫画』の魅力を紹介。斬新で刺激的なアイデアあふれる作品世界を堪能できる。9月27日まで。