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豪雨被害のホキ美術館(千葉)が9か月ぶりに再開 8月1日から「森本草介展」

被災前の美しい姿を取り戻したホキ美術館

写実絵画専門の美術館として知られ、昨年10月の集中豪雨で被害を受けて休館していたホキ美術館(千葉市緑区)が9か月ぶりに再開し、8月1日(土)、リニューアルオープン記念の「森本草介展」などが開幕する。

ユニークな外観のホキ美術館。静かな郊外の住宅地の一角だが、「想像もしないような雨が降った。完全に元通りになるには、まだ何年かかかる」と創設者の保木将夫氏はいう。(同美術館提供)

千葉県を中心に大きな被害が出た10月25日の豪雨では、同美術館のある千葉市緑区でも平年の1か月分の降雨量が数時間で降り、地下2階のギャラリーと収蔵庫、電気室などが浸水した。ギャラリーは膝丈ほどの高さまで水に浸(つ)かり、約100点のコレクションが水に濡れてしまったほか、長期間の停電も強いられた。

膝丈ほどの高さまで水に浸かった地下2階のギャラリー(同美術館提供)

作品の水洗いや消毒、燻蒸など修復に数か月かかり、現在も20点ほどが作業中という。電気室は上層階に移設して今後の豪雨に備えた。油圧式エレベーターも交換。さらに停電で空調がとまったためにカビが発生し、その除去に追われるなど復旧作業は大がかりなものになり、折からの新型コロナの影響も受けた。

グッズの保管庫も浸水。ほとんど書類や図録、グッズに被害が出た。書類は1枚1枚乾燥させて保管し直すという、根気のいる作業が続いた。(同美術館提供)

同館は、今年11月に開館10周年の節目を迎える。再開前の内覧会で、保木博子館長は「もう美術館は続けられないのではないか、と不安な時期もあった。コロナで思うように作業が進まないこともあったが、『写実絵画をみたい』というファンの声に支えられた」と話した。

元通りになったギャラリー。「今後も、現代日本の写実絵画の発展に努めていく」と保木館長(同美術館提供)

リニューアル記念は、日本を代表する写実画家で、同美術館のコレクションの始まりとなった森本草介(1937-2015)の回顧展。34点を展示する。

《未来》2011年(ホキ美術館蔵)

展示作のひとつの「未来」は2011年の東日本大震災の際に、森本が制作していた作品。落下してキャンバスにべっとり絵の具がついてしまったが、ふき取って描き上げ、平和を願う気持ちから「未来」と名付けたという。

森本草介展は11月16日(月)まで。同時に「第3回ホキ美術館大賞展」なども開催する。入館は日時指定の予約制となり、ウェブか電話で予約が必要。詳しくは公式ホームページへ。

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