江戸の食を堪能「おいしい浮世絵展」 森アーツセンターギャラリーで開幕

「見立源氏はなの宴」 三代歌川豊国(国貞)、味の素食の文化センター蔵、通期

今も昔も人生に欠かせない楽しみの一つが食べること。その食にまつわる場面を集めた「おいしい浮世絵展」―北斎 広重 国芳らが描いた江戸の味わい―715日、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで始まった。

260年続いた江戸時代は庶民を中心とした独自の食文化が花開いた時代でもある。当時の庶民のメディアとして親しまれた浮世絵を通して、江戸時代の暮らしや食について思いを馳せてもらおうという展覧会。葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳、東洲斎写楽、歌川豊国、歌川国貞、渓斎英泉、月岡芳年らの200件を超える作品が4章に分かれて展示される。

第1章は「季節の楽しみと食」。季節ごとの行事を描いた浮世絵の中で、餅つきや豆腐、すしやスイカといった「食」が存在感を放つ。歌舞伎の客席に並んだ弁当や菓子類も見ものだ。第2章は「にぎわう江戸の食卓」。醤油や味醂、酢などで江戸前の魚介に味付けしたすしやてんぷら。そば、豆腐、初鰹。描かれた人々の表情や仕草がいかにも嬉しそうだ。

「名酒揃 志ら玉」 歌川国芳、江戸ガラス館蔵、通期

第3章は「江戸の名店」。江戸後期には多くの料理店が生まれ、個性あふれる味を競った。そうなると欲しくなるのがグルメガイド。『東都高名會席盡(とうとこうめいかいせきづくし)』は国貞と広重が組んで料理屋に人気役者を配して紹介している。

「東都高名會席盡(とうとこうめいかいせきづくし) まつのすし すしや娘お里」 三代歌川豊国(国貞)、歌川広重、味の素食の文化センター蔵、前期(7/15~8/13)

 

最後の第4章「旅と名物」。今も昔も旅にうまいものは付き物。江戸時代は庶民の旅ブームが起こり、東海道を題材にした多くの浮世絵が描かれた。安倍川餅や桑名のハマグリをはじめ、団子、とろろ汁、そば…。旅の途中で名物を楽しむ人々の姿の微笑ましい。

 

 

 

「おいしい浮世絵展」‐北斎 広重 国芳らが描いた江戸の味わい‐

https://oishii-ukiyoe.jp

2020年715日~913日 森アーツセンターギャラリー

1期=715日~同30日 2期=731日~813

(8月14日は休館日)

3期=815日~同28日 4期=829日~913

会期中展示替えあり

チケットは日時指定の予約制

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