「世界で最も早い」ヨコハマトリエンナーレ2020  7月17日開幕 「毒との共存」もキーワードに

3年に1度開催される現代美術の祭典「ヨコハマトリエンナーレ2020」が7月17日(金)、横浜美術館とプロット48の2会場で開幕する。タイトルは「AFTERGLOWー光の破片をつかまえる」。新型コロナウイルス対応で、入場は日時指定予約チケットとなり、6月23日から発売を開始する。60組以上のアーティストが参加。出身地域はアジアやヨーロッパ、中東、アフリカなど幅広く、20代、30代の若い作家が半数を占める。会期は10月11日(日)まで。

現代美術の大規模芸術祭であるトリエンナーレは、隔年開催のビエンナーレとともに、国内外の都市で開催されているが、新型コロナウイルスの影響で今年に入って延期や中止が相次いでいる。今回の「ヨコハマトリエンナーレ」も当初の予定より2週間遅れの開催となったが、横浜市は感染拡大後では「世界で最も早い開幕」と説明している。

2001年に始まり、今年で7回目となる「ヨコハマトリエンナーレ2020」では、初めて海外からアーティスティック・ディレクターを招へいし、国際的に活躍しているインドの3人組のアーティスト集団「ラクス・メディア・コレクティヴ」が務める。

オンライン記者会見で「ヨコハマトリエンナーレ」のねらいを説明する組織委員会の逢坂恵理子副委員長(左)と、蔵屋美香副委員長(22日午後)

22日にオンライン記者会見を行った組織委員会の逢坂恵理子副委員長(国立新美術館館長)は、開催に踏み切った理由について「コロナウイルスによって様々な文化活動が中断や中止に追い込まれた。一方でオンラインによる発信の可能性も開けたが、やはり生身の人間が会場に来て、実際に体験してもらうことが大切だ」と訴えた。さらに「アーティストの創作活動を中止させない、支援したい、ということも重視した。密を防ぐ対策も取った。大きなチャレンジではあるが、会場に来た方に、(タイトルのように)光の破片をつかまえてもらい、次へのステップへのきっかけにしてほしい」と語った。

ラクス・メディア・コレクティヴ
撮影:加藤甫
写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

アーティスティック・ディレクターを務める「ラクス・メディア・コレクティヴ」は作品制作、キュレーション、パフォーマンスのプロデュースなど多彩な活動で知られる。これまでにバルセロナ現代美術館や、「上海ビエンナーレ」などでキュレーターとして展覧会を企画している。今回の展示では、次の5つのキーワードを設定している。

「独学」=自らたくましく学ぶ、「発光」=学んで得た光を遠くまで投げかける、「友情」=光の中で友情を育む、「ケア」=互いを慈しむ、 「毒」=世界に否応なく存在する毒と共存する

「ラクス・メディア・コレクティヴ」は、記者会見にビデオメッセージを寄せ、コロナウイルスの現状を踏まえて、「トリエンナーレを通して、発光に守られて世界が回復していく可能性についてみなさんに示したいと考えています」などと述べた。

記者会見で組織委員会の蔵屋美香副委員長(横浜美術館館長)は「毒、というキーワードは(コロナウイルスの感染拡大前の)去年の年末に出てきたもの。アーティストは、未来を予見するようなテーマを引き当てることがある」と話した。

2017年の前回は、期間中に約26万人が来場したが、今回は日時指定チケットで入場を抑制するため、13万人程度となる見込みという。チケットは一般が2000円、大学生・専門学校生が1200円、高校生が800円、中学生以下無料(事前予約不要)。詳しくは公式サイトへ。

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