ピカソ、詩人の横顔 「作家ピカソ展」 東京で開催

Picasso en Notre-Dame-de-Vie junto a "El pintor" (1964) Mougins, 1964 Fotografía de Roberto Otero (1931-2004) © Museo Picasso Málaga, Archivo Roberto Otero

 

「作家ピカソ展」

2020616日(火)~930日(水) 東京・市ヶ谷 インスティトゥト・セルバンテス東京

47日から522日まで開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために延期され、新しい会期で開催されることになった。

20世紀美術の巨匠ピカソが書いた詩文や戯曲に焦点をあてた「作家ピカソ展」が、東京・市ヶ谷のインスティトゥト・セルバンテス東京で開催されている。1930年代半ばから1950年代にかけて書かれた詩文、戯曲(いずれもファクシミリ版)、写真、書籍、資料など約70点を公開。研究者らのインタビューで構成されるビデオ「作家ピカソ」(約27分)も上映されている。ピカソの故郷マラガのピカソ美術館の協力により実現した国際巡回展で、2019年には北京と上海で開催された。日本展には、1930年代に読売新聞の特派員だった松尾邦之助からピカソに宛てた手紙のファクシミリも展示されている。大髙保二郎・早稲田大学名誉教授の監修による図録には、展示されている詩文の原文と日本語訳が掲載され、ピカソの思索の一端を浮き彫りにしている。

壁に並ぶピカソの詩文(ファクシミリ版)など。手前のケースには書籍ほか関連資料が展示されている
会場ではビデオ「作家ピカソ」が上映されている

 

 ピカソは50歳代半ば、文筆活動に専念した時期があった。愛人問題、家族との別居などで苛まれた「我が人生最悪の時」(ピカソ)、あるいは「地獄の季節」(大髙さん)とも呼ばれる1935年後半のことだ。数か月間、ほとんどデッサンかスケッチしか手がけず、詩文がピカソの表現の中心にあったという。1937年に代表作「ゲルニカ」を仕上げた直後にも18コマの絵と散文詩からなる「フランコの夢と嘘」を書いている。文筆活動は1950年代まで断続的に続き、総計で340篇の詩作品が生まれた。スペイン語とフランス語、時にカタルーニャ語を織り交ぜて書かれており、表現力豊かな文字の姿、詰め込むような綴り方が目を引く。

ケースに収められた資料と、壁に並ぶダグラス・ダンカンらが撮ったピカソの写真。ケース内の手前左は、松尾邦之助が仏訳した江戸時代の俳人・其角(きかく)の句集。ピカソ家で愛読されたという

文筆家としてのピカソの横顔を、日本とのかかわりも含めて紹介するユニークな企画だ。

1000円(図録進呈)、事前予約制。同インスティトゥトのHPで受付中。入場の際は体温測定などを実施する。

 

 

 

 

 

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