フォト・リポート 「写真とファッション」 東京都写真美術館

パグメント「Materials and Recipes」より

 

写真とファッション 90年代以降の関係性を探る

202062日(火)~719日(日) 東京都写真美術館(恵比寿)

 

1990年以降の世界ではネット文化の普及により、人々が個々に自由に発信することが可能になった。この時代の写真、雑誌、ファッションのつながりや相互作用に焦点を当てた「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」が東京・恵比寿の東京都写真美術館で開かれている。

1990年代に新たな視点を提供した分野横断的なファッション・カルチャー誌「Purple」を起点のひとつとして構成されている。同誌に登場したアンダース・エドストローム(1966年、スウェーデン生まれ)、髙橋恭司(1960年生まれ)の写真作品、「Purple」の編集者だったエレン・フライス(1966年、フランス生まれ)と京都に拠点を構える美術家・前田征紀(まえだ・ゆきのり)のコラボレーション展示、写真家ホンマタカシ(1962年生まれ)とファッション・レーベル「パグメント(PUGMENT)」によるインスタレーションなど、作品・資料合わせて約100点が展示されている。719日まで。

「Purple」のバックナンバーがずらり

  エレン・フライス、前田征紀

京都北部の里山で制作を行っている美術家の前田征紀は、エレン・フライスの活動に共感を示してきた。自然との共生を根底に持つ二人の美意識が反映された展示空間が生まれた。

中央は前田征紀「Spiritual Discourse」(2020年、和紙 墨 草花[柿葉、菩提樹の花、ラベンダー、野草]、古い大麻布)、手前は安田都乃「ancient sound 10」(2019年 信楽の土、加江田の石)

 

アンダース・エドストローム

会場では、まずエドストロームの作品に迎えられる。ファッションブランドや雑誌のための写真をフレームの中で再構成。雑誌の切り抜きも含まれている

 

 髙橋恭司

女性向けファッション誌「CUTIE」で掲載されたシリーズ「Tokyo Girl」(1992年)や、「Life Goes On」(1996年)などが展示されている

 

パグメント(PUGMENT)x ホンマタカシ

「Images」(2019年)より ファッション・レーベル「パグメント」とホンマタカシのコラボレーション作品。ミリタリーウェアを着た若い男女を正面からとらえた

 

パグメント「Materials and Recipes」(2020年)

 

長年ファッション事情を見守り、批評してきた林央子(はやし・なかこ)さんが監修を務めた。林さんは展覧会図録に寄せたエッセイ「90年代からの写真とファッション」で、90年代を「『雑誌』を土台にファッションや音楽の流行が生まれた」時代と呼ぶ一方、スマートフォンが急激に普及した最近の10年は「『雑誌』と言うものの多くが消えていき、あるいは広告の受け皿となって形骸化し、またはウェブマガジンにとってかわられた」時代ととらえ、「『写真』と言うものの生まれ方が変貌を遂げているのではないだろうか』と問いかけている。

 

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