いきなり最終週 わずか6日間の「超・名品展」 兵庫県立美術館

 

超・名品展

202062日(火)~7日(日) 兵庫県立美術館

2020411日から開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために臨時休館となり開幕が最終週まで遅れ、6日間だけの会期となった。事前予約制、詳細は同美術館のホームページで。

兵庫県立美術館(前身は兵庫県立近代美術館)の開館50年を記念し、新発見、再評価された作品を含め、今日の目で見た明治時代中期から約1世紀の間の洋画、日本画、彫刻、版画、写真などの「名品」約100点を一堂に公開。同館のコレクションに加え、国内各地の30を超える美術館・個人が所蔵する作品で構成する。

会場入り口風景 (兵庫県立美術館提供)

企画した同美術館の学芸員、西田桐子さんは「展覧会はお客さんがいてこそ。ようやく開幕し、じっくり見ていただけて嬉しい」と語る。見どころとなりそうな作品をいくつか紹介する。

 明治時代

高橋由一「豆腐」1877 年 油彩・キャンバス 金刀比羅宮(香川県琴平町)蔵    日本の洋画開拓期の第一人者、髙橋由一は日本の人々に「本物そっくり」(西田さん)の新たな視覚体験をもたらした

 

和田三造「南風」1907 年 油彩・キャンバス 東京国立近代美術館蔵 重要文化財   板の上の豆腐を取り上げた高橋由一に対して、和田三造は陽光を浴びた複数の人物を描いた。構図、色彩などに西洋画法習得の深まりが見て取れる

 

大正時代

「新興美術」とよばれた前衛的な芸術が開花した大正時代。若い才能がしのぎを削るように新しい表現に挑戦した。

柳瀬正夢「五月の朝と朝飯前の私」1923 年 油彩・キャンバス  武蔵野美術大学 美術館・図書館 蔵  ビルが乱立しているように見える抽象的な作品。パレットナイフや釘(くぎ)を使って描かれたという。柳瀬は風刺画やプロレタリア美術でも活躍した

  

昭和時代・戦前

安井仲治「公園」1936 年 ゼラチンシルバープリント・紙 個人蔵(兵庫県立美術館寄託)  戦前、関西のアマチュア写真家の指導者的な存在だった安井仲治は、多重露光やモンタージュ、ブレの効果、レンズの鮮鋭描写などを用いたさまざまな実験的作品を残したが、1942年に38歳の若さで他界した。現代写真の基礎を築いたともいわれる才能のきらめきはこの作品にも

 

昭和・戦後

篠原有司男「女の祭」1966 年 蛍光塗料、油彩、プラスティック・板  兵庫県立美術館 蔵    モヒカン刈りの風貌、グローブに墨汁や絵の具をつけてキャンバスに叩きつける『ボクシングペインティング』などで知られる篠原有司男(しのはら・うしお)は今もニューヨークで健在。この作品は日本のポップアートの代表作とも呼ばれる

 

日本の近代美術の多様な展開を目の当たりにできるラインアップだ。兵庫県立美術館の50年にわたる収集、展覧会活動の縮図という一面もあるだろう。あわや「幻の展覧会」になるところだった「超・名品展」。見た人は将来、自慢の種にできるかもしれない。

会場風景

(写真はいずれも兵庫県立美術館提供)

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