「京都の美術 250年の夢」展も 京都市京セラ美術館

京都市京セラ美術館開館記念展

京都の美術 250年の夢

「最初の一歩:コレクションの原点」

2020年6月2日(火)~9月6日(日) 京都市京セラ美術館

京都市・岡崎公園にある京都市京セラ美術館は、321日に迎える予定だったリニューアルオープニングが新型コロナウィルス感染拡大防止のための臨時休館に伴い延期されていたが、5月26日に開館。一旦、中止と発表された開館記念展「京都の美術 250年の夢」のプロローグ「最初の一歩:コレクションの原点」も、6月2日から9月6日までの新たな会期で公開されることになった。昭和初期の所蔵品や美術館創設に関わる資料などを展示し、草創期の様子を伝える展示だ。当面、入館者は京都府在住者に限定し、事前予約制となる。予約はホームページ、または電話(075-761-0239)で受け付ける。

昭和天皇の即位礼を記念して創設

京都市美術館は1933年(昭和8年)に開館。当初の名前は5年前の1928年(昭和3年)に京都で行われた昭和天皇の即位礼を記念する「大礼記念京都美術館」だった。(1952年=昭和27年に「京都市美術館」に改称) 市長の諮問機関として、京都画壇の巨匠、竹内栖鳳、関西美術院の創立者の一人だった洋画家の鹿子木孟郎(かのこぎ・たけしろう)ら9人による「大礼記念京都美術館評議員会」が設けられ、作品の買い上げや寄贈受け入れを含め、事業や運営に関する審議を行った。

コレクションの形成

所蔵品はゼロからスタート。購入、寄贈を通して京都の作家の日本画、洋画、工芸品を中心としてコレクションづくりが始まる。1935年(昭和10年)には「本館所蔵品陳列」として日本画22点、洋画10点、彫刻5点、工芸10点の計47点が一堂に公開された。

特別企画「最初の一歩」はの「本館所蔵品陳列」出品作品と資料によって京都市美術館の形成期の姿を浮かびあがらせる試みだ。「最初の所蔵品」「大礼奉祝会」「大礼記念京都美術館展」「第21回院展と第15回帝展」「京都市美術館 開館時の記録(1928~)」の5章で構成される。

最初の所蔵品

1928年(昭和3年)秋、昭和天皇が京都で即位の大典を行ったのを機に、京都で美術館設立を求める声が高まり、当時の市長・土岐嘉平が実業家や竹内栖鳳ら美術家と「大礼奉祝会」を設立し、1934年(昭和9年)、五代清水(きよみず)六兵衛(六和)の「大礼磁仙果文花瓶」などを寄贈。美術館初の収蔵品となった。

五代清水(きよみず)六兵衛(六和)は江戸中期から続く京都の陶家の明治~昭和の当主で、「大礼磁仙果文花瓶」は京都の美術工芸の水準の高さを示すものだった。

五代清水六兵衛(六和)「大礼磁仙果文花瓶」1926年(大正15年:右)

大礼奉祝会

大礼奉祝会は、さらに京都出身の日本画家、中村大三郎らの作品を大礼記念京都美術館に寄贈した。

中村大三郎「ピアノ」(1926年=大正15年:左)は、大礼奉祝会が寄贈した作品のひとつ

大礼記念京都美術館展

1934年(昭和9年)5月、事実上の開館記念展となる「大礼記念京都美術館展」が開催された。日本画、洋画、彫塑、美術工芸の4部にわたり、全国から876点が出品された。この中から若手作家らの作品計30点が購入された。

福田平八郎「白梅」(1934年=昭和9年:左)ほか「大礼記念京都美術館展」の出品作が並ぶ展示室

21回院展と第15回帝展

1934年(昭和9年)秋に、院展と帝展が開催された。院展の出品作からは2点、帝展からは6点が買い上げられた。

第15回帝展で特選となった菊池契月「散策」(1934年=昭和9年:左)は作家から寄贈された

京都市美術館・開館時の記録(1928~)

開館前後の記録、備品、展覧会資料などが開館当時の議論や美術館の雰囲気を伝える。

大礼記念京都美術館 館名プレート

 

竹内勝太郎「欧米美術館調査報告」原本(左)

新しい建築空間

大礼記念京都美術館として建てられた和洋折衷の「帝冠様式」の建物は、現存する公立美術館としては最古。20194月から同美術館の館長を務める建築家の青木淳さんは、同じく建築家の西澤徹夫さんと共に再整備の設計を手掛け、玄関前にすり鉢状のスロープを設けて地下に出入り口を設けることなどで、道路側から見た本館の姿を保ちつつ従来より開放的な空間を目指した。

正面入り口
正面のスロープ
中庭に天井を設けて出来た「光の広間」。「京都の美術 250年の夢」展はこの「広間」の外周に位置する本館北回廊のギャラリーで開かれる

  

内覧会であいさつをする青木淳館長(2020年3月20日 同美術館の中央ホールで)

*写真はすべて3月20日に撮影

開館記念展「京都の美術 250 年の夢」は、江戸後期から現代にいたる名品を全国から集め、計400点以上を紹介する通年のシリーズ展覧会。当初、プロローグに続いて第1部「江戸から明治へ:近代への飛躍」、第2部「明治から昭和へ:京都画壇の隆盛」、第3部「戦後から現代へ:未来への挑戦」が開かれる予定だったが、会期や構成などを調整中。決定次第、同館ホームページで発表する。

当面は入館者は京都府在住者に限定し、感染症対策として事前予約制による入館制限と、入館者の体温チェックを実施する。前売券や招待券を持っている人も事前予約が必要。定員は入場時間で30分(10時~17時)ごとに50人。

事前予約の対象期間は6月2日(火)から6月7日(日)まで。新型コロナウイルスの状況によっては、休館日をはさんだ6月9日(火)以降も事前予約による入館制限を継続する場合がある。

リニューアルオープンにあたって「コレクションルーム 春期」と「杉本博司 瑠璃の浄土」も開催されているが、それぞれ別に事前予約が必要となる。

予約はホームページ、または電話(075-761-0239)で受け付ける。

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