開幕を待つ「オラファー・エリアソン展」東京都現代美術館

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる

69日(火)~9月27日(日) 東京都現代美術館(江東区・木場公園)

 アイスランド系デンマーク人アーティストのオラファー・エリアソン(1967年生まれ)は、1990年代以来、映像やインスタレーションなどにより自然現象を芸術的な形に昇華させ、新しい知覚体験を生み出してきた。

東京都現代美術館で開かれる個展「ときに川は橋となる」は、虹を室内に出現させた初期作品から水面の豊かな表情を繊細にとらえた最新作まで、自在な発想により自然=地球との共生を希求するエリアソンの世界を紹介する企画だ。環境破壊への問題意識に裏打ちされた取り組みという一面も持つ。

エリアソンの作品の魅力のひとつである芸術性と科学技術の融合は、技術者、建築家、研究者、美術史家、料理人等100名を超えるベルリンのスタジオのメンバーが支える。展覧会を企画したキュレーターの長谷川祐子さんは、エリアソンの分野を超えた制作活動に「現代のダ・ヴィンチ」を感じるという。

二酸化炭素排出抑制のために、作品の多くはベルリンから東京まで航空機を使わず、鉄道と船で運んだ。社会問題にも率直に向き合うしなやかな知性がエリアソンの根底にあるのだろう。

展示作業は、来日を見送ったエリアソンが拠点のベルリンからインターネットで指示を送る形で進められた。光のグラデーションや波紋など極度に繊細さが求められる作業を、現場に作家が立ち合わず、交信によってやり遂げられたことを、長谷川さんは「忘れられない体験」と振り返る。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休館していたが、6月9日に開幕することが5月28日に発表された。

 

《ビューティー》1993年 撮影:福永一夫  Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 1993 Olafur Eliasson   室内に虹を出現させた初期の作品

 

《太陽の中心への探査》2017年  撮影:福永一夫  Courtesy of the artist and PKM Gallery, Seoul © 2017 Olafur Eliasson  動力源は屋外に設置されたソーラーパネルだ

 

《クリティカルゾーンの記憶(ドイツ-ポーランド-ロシア-中国-日本)no. 1-12》部分 2020年   撮影:福永一夫  Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2020 Olafur Eliasson  輸送中の動きや揺れを記録する装置によって描かれたドローイング。旅の時間の痕跡でもある。

 

《ときに川は橋となる》2020年   撮影:福永一夫  Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2020 Olafur Eliasson   暗い空間の中央に置かれた水盤がわずかに動くと、かすかな波が生じ、頭上のスクリーンには水面の微妙な表情が映し出される。高さ20メートルの吹き抜け空間を活かして、エリアソンは大型の展示に取り組んだ

 

 

エリアソンと哲学者との対話や長谷川さんのエッセイなどを収録した「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」(フィルムアート社)
カバーはリバーシブル仕様だ

 

この展覧会は、4月26日放送のNHK Eテレ「日曜美術館」(5月3日再放送)で、エリアソンへのインタビューやキュレーターの長谷川祐子さんの解説を交えて紹介された。

 

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