ジュニア版「もっと知りたい 世界の美術」が登場 家庭の学びにも

シリーズ累計100万部突破の美術入門書「もっと知りたいシリーズ」(東京美術刊)のジュニア版「もっと知りたい 世界の美術」が今春、同社から刊行された。

「北斎と広重」「ゴッホとゴーガン」「若冲と応挙」「ピカソとマティス」の全4巻。各巻とも、同時代に活躍した2人の著名な画家をとりあげ、2人の関係や個性の違いを知ることで、画家を身近に感じてもらうと同時に、作品の見比べを促し、絵に対する興味を引き出すことを狙っている。対象は小学校高学年以上で、日本美術は金子信久氏(府中市美術館学芸員)、西洋美術は高橋明也氏(三菱一号館美術館館長)が監修した。

画家ゆかりの土地や美術館、制作工房の紹介もあり、修学旅行に活用できる。クイズや自由研究に使える工作アイデア、実物大の作品紹介などもあり、子どもの関心をひきつける工夫が施されている。

好評の「もっと知りたいシリーズ」を受けて、今回は学校や図書館をメインのマーケットとして企画された。ところが実際にリリースされると、親世代から「こどもだけのものしておくのはもったいない」などの声が寄せられ、美術愛好者からも「昨今、ビジネスマン向けの教養美術書が売れているが、背伸びしてそうした本を読むより、このほうがアートの知識が蓄積できる」という感想が届いた。同社では「予想以上に大人の方にも楽しんでいただけている」という。

折からの新型コロナウイルスの感染拡大で休校が増え、子どもたちが家庭で過ごす時間が増えている。同社では「親子とも楽しめる内容。ただ作品に見入るのもいいですし、巻末の工作ページを参考にすごい工作を作って、SNSで見せ合うのもよいですね」と活用を勧めている。

A4判変型、各64ページ。1巻3000円(税別)。詳しくは同社HPへ。

https://www.tokyo-bijutsu.co.jp/