国立西洋美術館長もメッセージ 「災いと戦い、生き抜いた芸術家によって作られた作品。私たちの手に託され」
国立西洋美術館(東京・上野)の馬渕明子館長は14日、同館のホームページにメッセージを寄せた。同館は2月29日から休館しており、3月3日に開幕予定だった「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」も開催延期になっている。
馬渕館長は「美術館はオリジナルの作品を見ていただく場。その機会を提供できないのは残念の極み」と述べた上で、「思えば私どもの美術館にある作品は、長い歴史のなかで疫病や戦争、自然災害といったたくさんの災いと戦い、生き抜いてきた芸術家たちの手によって作られてきました。そして各世代の人々の手によって守られ、今日私たちの手に託されてきているのです。そうした芸術の力は、必ずやこの困難な時期に、人々に勇気と希望を与えてくれるでことでしょう」と、芸術作品を受け継ぎ、守っていくことの価値を語った。
馬渕館長は休館中のサービスとして、同館がSNSで展開する「ギャラリー・トーク」「所蔵作品紹介シリーズ」や、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の特設サイトなどを紹介。「皆様が笑顔で当館にお越しくださる日を職員一同楽しみにしております。どうぞ皆様も健康にお気をつけてお過ごしください」と結んでいる。
https://www.nmwa.go.jp/jp/information/whats-new.html#news20200414
馬渕館長は美術史家。1993年、「美のヤヌス」でサントリー学芸賞を受賞。2013年から国立西洋美術館長。