「不安と混沌の時こそ、美しいものに触れる必要」 東博館長がメッセージ
東京国立博物館の銭谷眞美館長は8日、同館HPのブログに「皆様へ」としてメッセージを寄せた。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同館は2月27日から臨時休館となっている。銭谷館長は「休館からひと月以上が経過しましたが、残念ながらまだ開館できる見通しが立ちません」と厳しい見方を示した。その上で、「トーハクでは、先行きが見えないなかで、多くのスタッフや関係者が開館を見据えながら一生懸命努力してきた」と述べ、臨時開館中に同館で展開している様々な取り組みを紹介した。
具体的には、You Tubeを活用した研究員の展示解説(オンラインギャラリーツアー)や、子供向けのぬり絵データの公開、博物館内のバーチャルツアー、文化財の保存と修理など、多彩なメニューを挙げた。
そして、銭谷館長は「本来、このような不安と混沌の時こそ、私たちは美しいものに触れ、歴史に学ぶことが必要です。臨時休館中にも、ぜひご紹介したようなコンテンツをお楽しみいただき、お一人お一人に、それぞれ新たなストーリーが生まれ、この危機に立ち向かう静かな、粘り強い力につながることを祈っています」と訴えた。
銭谷館長は元文部科学省事務次官。