フォト・リポート 「古代中国・オリエントの美術」 東京・永青文庫

古代中国・オリエントの美術
2020年2月15日(土)~3月31日(火) 永青文庫(東京・目白台) *4月15日まで開催の予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、3月31日で閉幕することになりました。
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旧熊本藩主・細川家ゆかりの品々を所蔵する「永青文庫」の設立70周年記念展が、東京・目白台の同文庫で開催されている。1950年(昭和25年)に同文庫を設立した細川家16代の護立(もりたつ)(1883~1970年)が収集した古代中国・オリエントの美術品や護立と交友のあった画家・梅原龍三郎や安井曾太郎などの作品、細川家に伝わる高麗茶碗など計53点が公開されている。(国宝「金銀錯狩猟文鏡」=通称「細川ミラー」=は3月15日で展示終了)
古代中国の美術
「目玉作品」の国宝「金彩鳥獣雲文銅盤(きんさいちょうじゅううんもんどうばん)」は中国・前漢~新時代(紀元前3~紀元1世紀)のものとされる。「盤」は儀式などにおいて手を洗う際に用いる容器。鋸(のこぎり)の歯の形をした文様や神獣などの細密な描写が目を引く。細川護立が、パリ滞在中の1926年に当地の古美術商で購入した逸品だ。このほか、重要美術品に指定された銅剣・銅矛、銅製の馬車なども出品されている。



オリエント美術
東地中海沿岸域に由来する古代のガラス器、イスラーム陶器なども展示されている。



高麗茶碗
茶の湯は武家の嗜みのひとつ。大名家ならではの茶道具コレクションも永青文庫の特色だ。朝鮮半島から日本に輸入された「高麗茶碗」11点が紹介されている。

美術工芸品だけでも6000点にのぼるコレクションから「中国」、「オリエント」などを切り口にして選ばれた優品による、永青文庫の多彩な魅力を伝える展覧会だ。