150年ぶりの「ご対面」 特別展「国宝 聖林寺十一面観音」

6月に東京国立博物館で開かれる特別展「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ~」について、150年ぶりの「再会」という話を紹介します。
聖林寺(奈良県桜井市)の十一面観音はもともと、三輪山を御神体とする大神(おおみわ)神社にある大御輪寺(おおみわでら)のご本尊でした。それまで神仏の関係は非常に近かったのですが、明治政府による神仏分離令が発せられると廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)といって仏像を壊す動きが広まります。その時、十一面観音は聖林寺に移されて難を逃れます。
ところで観音の元の姿は四天王に守られ、左右には多くの仏像が並んでいました。今回出展される国宝・地蔵菩薩は左脇侍(わきじ、きょうじ)と言って、観音の左側に立って補佐する役目を持った仏でした。これも、神仏分離令の際に法隆寺に移されたとされています。離れ離れになってから約150年。地蔵はやっと本来の役目を果たせる時が来たという訳です。

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