ゴッホの「ひまわり」を語る 特別講演会 速報

  33日に東京・上野の国立西洋美術館で開幕する「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」にゴッホの代表作のひとつ「ひまわり」が出品される。その日本初公開に先がけて217日、都内で「特別講演会」が開かれ、ゴッホ研究の第一人者で大阪大学教授の圀府寺(こうでら)司さんが講演。続いて評論家の山田五郎さん、女優の鶴田真由さんを加えた3人が「ひまわり」の魅力などについて語り合った。

圀府寺さんによれば、ゴッホがひまわりを主役として描いた作品は「たった11点」。南仏アルル時代の連作はその内の7点で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの作品はとりわけ完成度が高い。アルルの「黄色い家」でゴッホと共同生活を送った画家ゴーガンが称賛し、いさかいを経て両者が別れた後でさえ「黄色い背景のひまわりの絵が欲しい」とゴッホに手紙を書き送ったという。生前、作品がほとんど売れなかったゴッホだが、既にポスト印象派の巨匠ゴーギャンの目はその真価を見抜いていたことになる。

講演する圀府寺司さん。ゴッホが描いたひまわりの作品11点がスクリーン上に並んだ (清水敏明撮影)

座談会では、山田さんが進行役となって、ゴッホにまつわるさまざまな話題を紹介しながらゴッホの人物像や作品の魅力に迫った。学生時代に美術史を専攻し、ゴッホの内面的な側面に注目したという鶴田さんは「ゴッホ作品には心の振れ幅が感じられ、むき出しのエネルギーに圧倒される」と語り、圀府寺さんは、相続したゴッホ作品を売り払ったことで批判的に見られがちな義理の妹(弟テオの妻)ヨハンナの功績に光を当てるとともに、ゴッホの「贋作」に関わるエピソードなどを披露した。

左から山田吾郎さん、鶴田真由さん、圀府寺さん

山田さんは若いころにロンドンなどで美術館を訪問した体験をもとに、名作にふれる楽しみを語り、ゴッホばかりでなく西洋美術の名作が一堂に公開される「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」への期待を語った。

(講演会・座談会の詳細は4月の読売新聞紙上で詳報予定)

 

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

202033日(火)~614日(日) 国立西洋美術館(東京・上野公園)

ゴッホ「ひまわり」のほか、フェルメール「ヴァージナルの前に座る若い女性」、モネ「睡蓮の池」など61点の名画が日本で初公開される。「どれもAクラス以上の名品ぞろい。よくロンドンの館長が貸し出しを認めた」(圀府寺さん)という質の高い顔ぶれで、西洋絵画史をたどる絶好のチャンスだ。

 

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