フォト・リポート 「岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ」展 愛知・豊田市美術館

 

岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ

20191123日(土)~2020224日(月・祝) 愛知・豊田市美術館

造形作家、岡﨑乾二郎さん(1955 年〜)は、レリーフ、絵画、彫刻、映像、テキスタイル作品、メディア・アート、建築、舞台美術、絵本、タイル、描画ロボットとの協同によるドローイングまで、あらゆるジャンルにおいて最前線で制作を続け、同時に美術史研究、美術批評や展覧会の監修も手がけている。

豊田市美術館は、2017年に岡﨑さんを監修者に迎えて同館の所蔵品により抽象美術を再考する「抽象の力」展を開いた。この企画から生まれた著作が評価され、岡﨑さんは2018年度の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。同美術館は続いて時間、空間を重層的にとらえる岡﨑さんの世界観を岡崎さん自身の作品によって明らかにする企画に取り組み、「岡﨑乾次郎 視覚のカイソウ」展が実現した。

タイトルにある「カイソウ」には「回想」「階層」などの意味が込められている。約270件の出品作品は、掌にのりそうな油彩作品から展示室ひと部屋を占拠するかような巨大な彫刻までさまざま。企画した同美術館の学芸員、千葉真智子さんは「岡﨑さんとの展示作業は、妥協のない密度の高い作業だったが、会場の空間にも作品をとらえる知覚にも、いかに豊かな可能性が秘められているか、折に触れて気づかされた」と語る。展示作業自体がリアルタイムの創造的な営みだったことがうかがわれる。この会場に立たなければわからないであろう、軽やかで解放されるような感覚がある。2月24日まで。巡回はない。

「あかさかみつけ」の連作 足を進める度に連作は新たな姿を見せる

  

作品全体にも細部にも、思索を誘う何かが潜む。じっと向かい合う人が多い
右側の作品の左上の部分は、左の作品とほぼ同図。形が重なり呼応し合うことで、様々な感情が誘発される

スケールの大きな彫刻作品だが、印象は軽やかだ

 

左右一対の二枚組作品。作品を前にすると、古い記憶がよみがえると同時に刷新されるような不思議な感覚も

 (読売新聞東京本社事業局専門委員 陶山伊知郎)

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