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巨大スクリーンで見るブリューゲルの世界 東京・六本木で映像公開中

 

ヨーロッパ美術の巨匠ピーテル・ブリューゲル(1525/30~69年)が描いた群衆や奇怪な動物たちが、コの字型の巨大スクリーンで躍動──。

16世紀フランドル地方(現在のベルギーなど)で風刺、寓意に満ちた作品を描いたブリューゲルは、主題のユニークさとともに、細部まで描きこんだ描写でも知られる。

2017年に、代表作のひとつ「バベルの塔」が日本で公開され、注目を集めた。会場では、壁いっぱいに拡大された作品の写真が細部の描写を明らかにし、驚きを呼んだ。

このブリューゲルの「秘境」に高解像度のデジタル映像で迫る12分の映像作品を上映するイベント「見たことがないブリューゲル」が、916日まで東京・六本木ヒルズの「ヒルズカフェ/スペース」で開かれている。

取り上げられているのは「洗礼者ヨハネの説教」「反逆天使の転落」「ネーデルラントの諺」の3作で、いずれも2016年からブリュッセルのベルギー王立美術館で公開されているもの。群衆ひとりひとりのユーモラスな表情から、怪物たちの奇怪な姿、家、道具に至るすべてが、細部まで味わえる。

上映されている《洗礼者ヨハネの説教》の一場面

 

《反逆天使の転落》1562年 油彩 ブリュッセル ベルギー王立美術館所蔵 © Royal Museums of Fine Arts of Belgium, Brussels, photo: Grafisch Buro Lefevre, Heule

《ネーデルラントの諺》1559年 油彩 ベルリン 国立絵画館所蔵 © Gemäldegalerie der Staatlichen Museen zu Berlin – Preußischer Kulturbesitz, photo:Jörg P. Anders

 

このイベントを企画、監修した、ブリューゲル研究の第一人者である森洋子・明治大名誉教授は、11日に六本木・アカデミーヒルズで開かれた講演会で、デジタル映像によっていくつも発見があったことを紹介した。

たとえば「洗礼者ヨハネの説教」の背景に、肉眼では分からないほど小さく「キリストの洗礼」の場面が描かれていることが確認できた。注文主は、ブリューゲルから作品を受け取った後、時間をかけてつぶさに見て、はじめて「洗礼」の図に気づいたはずだ。ブリューゲルの注文主へのサービス精神のあらわれと考えられるという。

《洗礼者ヨハネの説教》の一部。中央の川辺で「キリストの洗礼」が行われている

矢印の部分が「キリストの洗礼」場面

このほかにも画面に小さく登場する人間や怪物に焦点を当てて、驚きの世界へと誘う。ブリューゲルの世界を一歩掘り下げて楽しめるイベントだ。入場無料。

 

講演中の森洋子さん(11日、東京・六本木のアカデミーヒルズで)

ブリューゲル没後450周年記念イベント

見たことがないブリューゲル

~巨大3スクリーンによる映像の奇跡~

2019910日(火)~16日(月・祝)

東京・六本木ヒルズ ヒルサイド2階 「ヒルズカフェ/スペース」

 

 

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