描き出されるのは、ただの写実ではない 「吉村芳生展」開幕(山口県立美術館)

一見、写真と見間違えるほどに克明に描かれた細密描写で知られる吉村芳生の画業を紹介する「吉村芳生展」(山口県立美術館主催)が3日、山口県立美術館で開幕した。
1950年に山口県に生まれた吉村芳夫は、版画で国内外の美術展に出品を重ね高い評価を得た。その卓越した技術や、鉛筆や色鉛筆で描いた細密描写作品は誰もを驚かせたが、決して知名度が高い作家ではなく、近年まで忘れ去られていた。
それが一変したのは、2007年に森美術館で開催された「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展でのこと。出品された作品群が注目を集め、それ以降、各地の美術館で作品が展示され、なかでも山口県立美術館で開催された個展には多くの観客が押し寄せた。
本展では、吉村の類いまれな技巧で描かれた、鉛筆で一日の新聞を丸ごと等身大で写し取った初期作品や後期の色鉛筆による花の作品などを、同館のコレクションによって紹介する。10月22日まで。