「デパート卓球」展、東京・日本橋で開催中

                                            

百貨店の売り場の奥にある展示室に卓球台が2台。訪れた人が気ままにプレーを楽しんでいる。東京・日本橋の高島屋で開かれている、この風変わりな催しは、名付けて「デパート卓球」展。

香川県と岡山県で開かれている現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2019」で、高松市沖の女木島(めぎじま)の元民宿などを利用した「島の中の小さなお店」の一つ、「ピンポン・シー」(原倫太郎+原游)が、芸術祭の連携企画として東京にも「出店」された。

突き当りのスクリーンには、女木島の会場の様子がリアルタイムで映し出され、女木島では東京・日本橋会場の様子が上映されていた(女木島会場の夏会期は8月25日に終了)

  

アートディレクター、卓球に「胸が騒ぐ」

瀬戸内国際芸術祭のアートディレクターで、「デパート卓球」展の監修を務める北川フラムさん(72)が、18日、高島屋内の史料館TOKYO旧貴賓室で、同展にも触れながら「地域と都市におけるアートの可能性について」と題して講演。同芸術祭の成り立ちや地域振興という狙いなどともに、卓球にまつわる秘話を明かした。

 

 

 瀬戸内国際芸術祭がスタートしたのは2010年だが、その数年前に打合せのために高松市を訪れた北川さんは、入った割烹で女将が卓球の元世界選手権王者だったことを知り「胸が騒いだ」という。北川さん自身、中学時代は卓球に打ち込んでいたのだ。その女将が女木島に別荘を持ち、卓球台も置いている、と聞いて、いずれ芸術祭で卓球を絡めた企画ができないものかと考えていたという。

しかし、「卓球と芸術。簡単には結び付かないですよね」と振り返るように、なかなか糸口がつかめなかった。その夢が、今回、原倫太郎さんと原游さんの作品によって女木島で実現。同芸術祭訪問を行程に組み込んだ客船で「クルーズ卓球」、商店街で「アーケード卓球」、そして東京での「デパート卓球」を開くなど、多彩な展開となった。卓球が通りがかりの人でも気軽に楽しめるスポーツで、見知らぬ人との間でも自然にコミュニケーションが生まれるところに着目したのだろう。

卓球が結ぶ瀬戸内と東京

総計で30以上の国と地域から200人・組以上の作家・グループが参加している瀬戸内国際芸術祭は、女木島、直島、小豆島など12島と高松港など2つの港が会場。4月26日から5月26日までの春会期に続き、7月19日に始まった夏会期は825日まで開かれた。酷暑にもかかわらず、外国人客の増加もあって、昨年を2割ほど上回る来場者を数えたという。9月28日から始まる秋会期は114日に最終日を迎える。

原さんの卓球作品を女木島と東京で並行して公開した今回の企画には、卓球空間を共有することで都心の百貨店と地方のコミュニティー(共同体)が結びつき、それが地方の活性化につながれば、という北川さんの期待も込められていたようだ。

東京の「デパート卓球」展は、1013日まで。瀬戸内海の芸術祭に思いを馳せ、あるいは若い頃の卓球体験を思い出しながらピンポンを楽しむ人たちの姿が見られそうだ。

 

 

デパート卓球

2019814() -1013()

高島屋史料館TOKYO(東京・日本橋高島屋S.C.本館4階)

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