人々を救う“ほとけ”とは? 「優しいほとけ・怖いほとけ」開幕(東京・根津美術館)

飛鳥時代から江戸時代に至る仏教絵画・彫刻から、ほとけの表情とその意味を考える「優しいほとけ・怖いほとけ」(根津美術館主催)が7月25日、根津美術館で開幕した。
ほとけはその姿と役割から、仏教の真理を体現する厳かな「如来」、人々を苦難から救い福楽を与える慈悲の「菩薩」、そして、教えに従わない者や怨敵を屈服させる忿怒(ふんぬ)の「明王」の三種類に分類することができる。さらにこの忿怒相のほとけには、武将の姿で外敵を撃退する四天王のような「天」も含まれる。
人々は尊い釈迦如来を礼拝し、優しい観音菩薩に救いを求め、迷いや邪念を不動明王の猛火に投じ、毘沙門天に安堵を頼むことにより、現世での健やかな人生を願ったのだ。
本展には、同館から重要文化財を含む優品約35件が出品。また「優しいほとけ・怖いほとけ」以外に「厳しいほとけ」も紹介されるほか《愛染明王坐像》が修復を終え初公開となる。8月25日まで。